どんな商品がつみたて投資枠に追加される?
具体的にはつみたて投資枠の商品について対象投資資産の拡充が挙げられる。「株式に比べてリスクが低く、より安定的なキャッシュフローが望めるアセットクラスをつみたて投資枠の対象商品に含めることも検討されるべき」と提言し、初心者や安定的なキャッシュフローを求める高齢層など、より低リスクでの運用を望む層が安定的な資産形成を行いやすくすることを狙っている。
また同じくつみたて投資枠に関して、商品のベンチマークとなる株式指数についても拡充される可能性がある。現在は他の指数と組み合わせて活用されているヨーロッパやアジア地域などの指数を単体でも対象とすることや、新しく開発された指数も対象として検討する余地があるとしている。
より多様な商品を対象に含めることで個々のライフプランやリスク許容度に応じた柔軟な運用を可能にすることを目指してのことだ。
3の非課税保有限度額の当年内の復活に関しては、より商品の入れ替えをしやすくする狙いがある。現状では運用商品を売却すると、その売却商品の簿価(購入価格)分の非課税枠が空く。ただしその枠は翌年にならないと再利用できない。この不便を解消すべく、売却すれば当年中に再利用できるよう枠の復活制度の導入を要望する。
このほか、口座開設後の本人確認の事務手続きの簡素化なども挙げられる。現在は口座開設から10年後(以降5年ごと)に郵送等によって氏名や住所の確認を行っているが、金融機関・利用者双方の負担軽減を目的に代替策の導入を要望している。
いずれの改正要望も、実現されればさらにNISAを便利に活用できるようになる可能性を秘めている。NISA口座数は約2650万に上る(2025年3月末時点)。国民の約4人に1人が開設している計算だが、より利便性を増すことでさらなる普及が見込まれる。
●変わる可能性はほかにも…後編「暗号資産(仮想通貨)はどう変わる? 総合課税から分離課税導入へ前進か、金融庁が税金見直しを要望」にて詳報する。
