◆「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」は何が違う?

売れ筋の第2位になっている「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」は、次世代の米国経済の主役となり得ると三菱UFJアセットマネジメントが判断した企業の株式を中心に投資を行うファンドだ。NYダウ(工業株30種)の構成銘柄を参考にし、後の経済環境、社会構造に関する見通しを基に、変化に対応し成長が見込まれる投資銘柄を厳選して30銘柄でポートフォリオを作る。ただ、運用者の投資判断が加味されているため、ポートフォリオを作る銘柄群に共通項は多いものの、「NYダウ」とは組み入れ比率などが大きく異なっている。

たとえば、2025年2月末時点の組み入れ上位銘柄と組み入れ比率は、「NYダウ工業株30種」では、「ゴールドマン、サックス」(8.2%)、「ユナイテッドヘルス」(6.3%)、「マイクロソフト」(5.3%)、「ホームデポ」(5.3%)、「VISA」(4.8%)、「シャーウィン・ウィリアムズ」(4.8%)、「キャタピラー」(4.6%)、「マクドナルド」(4.2%)などとなっている。これに対し、「メジャー・リーダー」では、トップ組み入れ銘柄こそ「ゴールドマン・サックス」(8.3%)だが、第2位以下は、「アマゾン」(6.8%)、「アメリカン・エキスプレス」(6.5%)、「ユナイテッドヘルス」(6.1%)、「マイクロソフト」(5.9%)、「キャタピラー」(5.5%)、「シャーウィン・ウィリアムズ」(4.7%)という順番だ。「NYダウ」の構成銘柄でありながら組み入れトップ10には入ってこない「アマゾン」や「アメリカン・エキスプレス」が上位に入り、「NYダウ」では組み入れ比率4番目の「ホームデポ」はトップ10から外れている。

このように「金融」や「ヘルスケア」「資本財・サービス」という業種に比較的大きく資産配分するポートフォリオは、ITサービスや半導体などに手厚く資産配分する「S&P500」とも異なる価格特性を持ったポートフォリオということができる。今のところ、ハイテク株上昇の恩恵を強く受けた「S&P500連動型ファンド(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が過去3年で79.8%と「メジャー・リーダー」の66.0%を大きく上回る成績をあげているが、ハイテク株を中心に「S&P500」が下落している現状で今後の展開はどうなるのか注目したい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩