広島銀行の投信売れ筋ランキングの2025年2月のトップ4は前月と同じだった。トップに「世界経済インデックスファンド」で、第2位以下は、「次世代米国代表株ファンド『メジャー・リーダー』」、「りそなラップ型ファンド(安定成長型)『R246(安定成長型)』」、「インデックスファンドS&P500(アメリカ株式)」になった。そして、第5位には前月の第10位から「インデックスファンド225」がジャンプアップしている。

 

◆世界経済の成長に投資するバランス型ファンド

広島銀行の売れ筋ランキングで「世界経済インデックスファンド」は2024年11月から4カ月連続でトップとなり、それ以前にもたびたびトップになっている定番商品と言ってよい存在だ。同ファンドの特徴は、「国内」「先進国」「新興国」の「公社債」と「株式」に分散投資することで、リスクの低減を図りつつ、資産の中長期的な成長をめざすことにある。合計6資産(国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券)の組み入れ比率は国内・先進国・新興国の地域別GDP(国内総生産)の比率を参考に決定している。株式と債券の投資比率は50対50だ。世界のGDPは人口の増加等によって年々緩やかに拡大しており、同ファンドではこの拡大の恩恵を運用成績に取り込むことをめざしている。

同ファンドのパフォーマンスは、2025年2月末時点で過去1年が6.74%で投資信託協会が分類する「内外/資産複合」という商品分類平均の3.26%を大きく上回っている。3年で36.25%(商品分類平均:17.86%)、5年で63.86%(同35.48%)となり、国内外の株式や債券に分散投資するファンドの中では優れた成績を残している。中長期に安定的な成長を続けていることが、同ファンドの人気を支えていると考えられる。

同じように国内外の株式や債券に幅広く分散投資するのが「りそなラップ型ファンド(安定成長型)『R246(安定成長型)』」だ。このファンドは、株式と債券に加えて内外のリート(不動産投信)も投資対象にしているため、投資対象資産は8資産になっている。そして、5年から10年程度の期間で目標とするリターンとリスクの水準を明示して、その水準を実現する可能性の高い資産配分比率を設定している。「安定成長型」は目標リターンを短期金利+4%とし、リスク水準は10.2%を目指す。実際に2025年2月末時点の過去1年間のリターンは5.2%、3年では19.9%、5年で35.7%という成績を残している。

売れ筋ランキングの第8位になっている「R246(成長型)」は、目標リターンを短期金利+6%、リスク水準を15.5%において資産配分を決定している。過去1年間のリターンは9.1%、3年で43.64%、5年で78.16%だった。「安定成長型」も「成長型」も目標リターンの水準に対して納得度の高い成果を残しているといえるだろう。

このようなバランス型のファンドは、株式ファンドと比較すると価格変動率が抑制されているという特徴がある。ここ数年間は株式市場の値上がり率が大きかったために、株式ファンドの運用成績が非常に良いものになっているが、大きく値上がりする株式ファンドは景気後退等で企業業績が悪化する局面では大きく下落することがある。バランス型は、株式ファンドが大きく値上がりする中では値上がり率が低くなって物足りなさを感じさせるが、株式ファンドが大きく値下がりする局面では下落率が抑えられるため長期に保有し続けることができる。価格変動率が抑えられているぶん、中長期の投資にはバランス型ファンドが向いているとされる。