NISA利用者と非利用者では相場急変時の反応に差

24年8月5日の日経平均は前週末比で4451円と過去最大の下落を記録。持ち株を投げ売りした個人投資家もいたようだが、NISA利用者と非利用者で反応に違いはあったのだろうか。

調査によれば、8月5日の相場急変時に「B 投資をやめたいとは思わなかった」(=「Bの方に近い」+「どちらかといえばBの方に近い」)と回答した人の割合は、NISA利用者で85.8%と多数にのぼり、非利用者(64.2%)を上回っている。

また相場急変を「A 資産を増やす/投資を始めるチャンスだと思った」(=「Aの方に近い」+「どちらかといえばAの方に近い」)では、NISA利用者で67.4%、非利用者は45.1%と、こちらも差がついた。ただし相場急変時の行動としては、「特に何もしなかった」がNISA利用者で68.5%、非利用者で67.2%と大きな差はなく、実際に行動を起こした人は限られた。

NISA利用者は「長期投資を志向」「相場変動リスクを認識」

幸い8月の相場急変は今のところ一時的な動きで終わっている。しかしトラウマになって投資をやめてしまった人もいるかもしれない。調査では「将来的な投資意欲」についても質問している。その結果、「続けたい」(=「続けたい」+「どちらかといえば続けたい」)と回答した人は、非利用者で29.1%だった。

一方のNISA利用者では「続けたい」と回答したのは非利用者の3倍近い80%にのぼった。記録的な値動きをした相場を経験しても、NISA利用者はあまり投資意欲を失わないことを示唆する結果となった形だ。

調査では投資意欲の理由についても聞いているが、NISA利用者で回答率が高いのは「長期投資で最終的に資産が増やせればよいから」で62%。次いで「相場は今回のように変動することもあると認識しているから」(52%)と続く。NISA利用者は長期投資を志向し、相場変動リスクもしっかり認識しているようだ。

一方、非利用者で回答率が高いのは、「投資について詳しくないから」(45%)、「投資はリスクが高いと思うから」(39%)など、投資についてネガティブな意見が多かった。