大和証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月は、前月まで2023年8月以来16カ月連続でトップを維持していた「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」が第2位に後退。トップに「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」が第2位からランクアップした。また、「netWIN GS テクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」「同(年1回決算型)」も順位を上げた。また、「ストック インデックス ファンド225」が前月の第7位から第4位にジャンプアップした。
(出所)公表データに基づき編集部作成
◆売れ筋16カ月トップだったインド株ファンドが後退
2023年8月からトップであり続けてきた「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」がトップから後退したことは、「インド株ファンド」に対する市場の熱が冷めつつあることを象徴している。前月は第5位に入っていた「HSBC インド・インフラ株式オープン」はトップ10からすべり落ちてしまった。インド株に対する期待がはげ落ちていることがわかる。
過去3年間のトータルリターンの比較では、2024年12月末時点で「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は84.61%で、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」の同61.01%を大きく上回っている。過去の成績では負けていないにも関わらず、売れ筋としての人気が衰えたのは、今後の見通しが悪くなったということだろう。
実際に同ファンドの基準価額は、7月に高値をつけて以来、8月の急落を経てもみ合い相場に終始した。10月以降は「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏が新大統領として有望という見方が強まり、ドル高が進むとともに米国以外の株式市場に調整圧力が強まった。1月20日には、いよいよトランプ新政権が発足となり、実際に米国大統領として関税政策などにどのような対応をみせるのか、その内容が明らかになるまでは積極的な投資は難しいと考えられる。
ただ、インド経済の見通しについては引き続き良好だ。同ファンドを設定・運用する大和アセットマネジメントは12月25日に「インド株の2024年の振り返りと2025年の見通し~25年の追い風に加え中長期的な高成長期待もあり、投資妙味健在~」という臨時レポートを発行し、「インド国内の高金利環境や、総選挙による投資の一時的な減少などを受け、景気停滞が見られましたが、今後の成長率は+7%台前半に再加速すると期待されます」と2025年を展望。また、インドでは今後、金利の引き下げが本格化していくと考えられていることが株式市場の追い風になると期待している。足元での価格の下落はいたしかたないものの、年7%前後の経済成長が期待できる国は少なく、中長期的な成長期待が持てる国としてインドは常に意識しておきたい国といえるだろう。