◆注目度が一段と高まる「未来の世界」
「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が遂に第4位に浮上した。7月、8月にはトップ10圏外になっていたことに比べると、人気の復調ぶりが際立っている。このファンドは、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのボトムアップの調査力を駆使し、外部環境の変化に影響を受けにくく将来にわたって持続的で質の高い成長が期待できる企業を選別し、株価の割安度を重視して少数の銘柄に集中投資を行っている。11月末時点での過去1年間のトータルリターンは39.08%と、「S&P500」を上回るパフォーマンスになった。今後の米国市場、および、トランプ政権の関税政策などによって世界の株式市場が左右される可能性があり、そのような外部環境の変化の影響を受けにくい企業に厳選して投資するという同ファンドのコンセプトは現在の環境では頼りになると感じられるのだろう。
また、第9位に食い込んできた「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、三井住友銀行でもトップ10に入ってくるなど注目度が高まっている。同ファンドは実質的に金(ゴールド)の現物に投資し、米ドル建ての金価格の値動きに連動する成果をめざす。過去1年間のトータルリターンは31.41%となり、主要な株式ファンドとそん色のないパフォーマンスを出している。基本的に株式とは異なる理由で価格変動する資産として株式投資のリスクヘッジ手段としても活用されているが、近年は値動きの良さを評価して値上がり益を積極的に狙っていくファンドの1つにもなっている。既に割高が指摘される「S&P500」は依然として史上最高値を更新する好調を持続しているが、その高値がいつまで続くのかという懸念も強まっているだけに、そのリスクヘッジ手段としても使われる「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の人気の持続性は気になるところだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩