「年金だけでは老後は厳しい……?」。昨今、資産形成に多くの人の関心が集まる背景には老後の不安があります。

そんななか社会保険労務士の「社労士みなみ」さんは、知識や経験のないまま投資を始めて失敗してしまう高齢者がいる現状を変えるため「年金最大化生活」を提唱しています。著書『もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活』から、もらえる年金を増やす方法を紹介します。(全4回の3回目)

●第2回:「控除」を活用。国民年金と厚生年金のどちらかを繰下げるだけの意外な節税方法

※本稿は、社労士みなみ著『もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活』(アスコム)の一部を抜粋・再編集したものです。内容は2024年7月時点の情報に基づいています。

「繰下げすると損する」という話は本当か?

繰下げ受給の話をすると、「長生きしなければ、結局は損することになりませんか」と、よく聞かれます。たしかに、年金が増えても、思っていたより長生きできなければ損になります。

それでは、どれくらい長生きすると、「繰下げ受給してよかった」となるかというと、分岐点となるのは、もらい始める年齢プラス11歳です。
 
66歳なら77歳以上、70歳なら81歳以上、75歳なら86歳以上長生きできると、得することになります。