年収上がった7割越え 実質賃金改善ならず
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアは9月13日、2024年上半期において社会人が注目するニュースについての調査結果を公表した(アンケート調査、有効回答数384人)。
注目しているニュース分野を問う質問では、74.7%が「経済」と回答。次いで、「IT」(49.0%)、「はたらき方」(46.1%)だった。なかでも経済分野については、賃上げや物価高、税収に関する内容が多く集まった。
回答者の現場はどうだろうか。
調査では、今年年収は上がったかの質問に対して、「上がった」(76.6%)が過半数を占め、2年で30.3%増加した。一方で、現年収で毎月の生活に「余裕がない」(38.8%)と、過去調査から約1年で13.2%増加した。
同調査は、「年収は増加したものの生活に余裕のない人の割合が増加した本調査からも、物価高によって実質賃金がマイナスである」と言及。
実際に生活で余裕がないことの表れとして、貯金額を問う質問では平均貯金額は6万4千円と、2年で1万8千円減少した。
同調査は、「少子高齢化による人材不足に加え、2023年以降物価高の影響が強まるなか、大企業を中心に賃上げ発表が行われてる。さらに、今年の春闘は33年ぶりの高水準となり、”名目的”には賃上げが進んだ」と指摘し、
「しかし厚生労働省の毎月勤労統計調査を見ると、直近2カ月でプラスには転じているものの、実質賃金は26カ月連続のマイナスを記録しており、賃上げが物価高に追いついていない状況は明らか。原材料価格及びコスト上昇で、消費者の消費意欲も減少し、結果、企業の利益も減少することで大きな賃上げに繋がりにくいという悪循環のインフレが起きています」
と続けた。