金融庁が2020年から毎年作成・公表している「資産運用業高度化プログレスレポート」の2022年版が公開されました。このレポートは、金融庁が投資信託をはじめとする資産運用ビジネスを高度化させるため、資産運用会社に対するモニタリングや対話を通じて把握した課題と対応について取りまとめたものです。
資産運用ビジネスのプロが注目。個人も運用業界の課題を把握するのに有用
基本的には、投資信託を設定・運用している投資信託会社や、それを販売している金融機関など、資産運用ビジネスに関わっている人たちが目を通しておくべき資料ですが、投資信託を通じて自分の資産を運用している個人にとっても、大事な資産を運用するツールである投資信託が抱えている課題、あるいは今後、どういう方向に進んでいくのかを把握するうえで参考になります。
「資産運用業の高度化」は、プログレスレポートが公表されるようになる数年前から、金融庁が用いるようになった言葉ですが、その言わんとするところは、日本の資産運用ビジネスが、海外のそれと肩を並べられる程度にまでレベルの向上を図り、「インベストメント・チェーンの機能向上」を実現させるということだと思われます。目指すべき海外の資産運用ビジネスは、恐らく米国やイギリスのそれ、という意味ではないでしょうか。この点は、明確な言及がなされていないので想像の範囲ですが、恐らくそういうことだと思われます。