2022年に入り株価は下落しています。2022年5月13日時点の日経平均株価は2万6427.65円で、これは前年末の終値(2万8791.71円)を8%以上下回る水準です。
株価下落の背景にはアメリカの金融政策の転換があるといわれていますが、実は9年前の5月23日も同じ理由で大きく下落しました。「バーナンキショック」と呼ばれ、アベノミクス以降で最初の大きな下落でした。
今日は2013年に起こったバーナンキショックを振り返りましょう。
日経平均1143円安、下落率は歴代11位
2013年当時、アメリカでは2008年から続く量的金融緩和を行っていました。市場に大量の資金を供給する施策で、リーマンショックで傾いた米国経済を立て直す目的に実施されます。
しかし5月22日、当時のFRB(※)議長のバーナンキ氏は量的金融緩和の縮小に言及します。事前に量的金融緩和の継続を示す声明文を発表していただけに、市場は大きな驚きをもって氏の発言を迎えました。
※FRB:連邦準備理事会。アメリカの中央銀行に相当し金融政策を執り行う
バーナンキ氏の発言は株式の売りを誘います。アベノミクスで上昇していた日本株式にも売りが波及し、日経平均株価は前日比で1143.28円もの下落を記録しました。1日の下落率は戦後11位にランクインしています。
【日経平均株価 日足チャート(2013年1月~6月)】
【日経平均株価 下落率ワースト11】
日経平均株価は同年6月13日に1万2415.85円の安値を付け下げ止まりました。バーナンキショック直前の終値は1万5627.26円ですから、1カ月足らずで20%以上も下落したことになります。
今年の下げ幅はまだ8%強。アメリカの金融政策転換による下落はまだ続くかもしれません。