2021年9月、野村証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

 

第1位「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の概要 

野村証券の9月人気ランキング1位は、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。同ファンドは米国の成長株に投資するアクティブファンドで、8月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。

1.アルファベット 8.0%
2.マイクロソフト 8.0%
3.フェイスブック 5.8%
4.アマゾン・ドット・コム 5.7%
5.VISA 5.1%

 そして、8月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月  2.6%
3カ月 12.9%
6カ月 29.4%
1年    35.2%

 同ファンドの8月末時点における純資産残高は1兆2,540億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)でトップとなっている。米国のIT・ハイテク株に投資し、高いリターンをだしていることから、投資家の関心を集めているのだ。ただ9月中旬以降、インフレ懸念による米長期金利上昇により、IT・ハイテク株などの成長株の上値は重くなっている。米国株式市場に対して年内に弱気の見方も増えるなか、10月以降も高水準の資金流入が続くかどうかに注目だ。

全体を見て:米国株に投資するファンドが人気

米国株に投資する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」「ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド」が2つずつランクインしている。「ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド」は、米国のバリュー(割安)株に投資するアクティブファンドである。ティー・ロウ・プライスはバリュー株投資において30年以上の経験を有し、個別企業の分析に基づく「ボトム・アップ・アプローチ」を重視した運用を行う。同ファンドは2021年9月7日に設定された新規ファンドである。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」は成長株(グロース株)に投資するファンドなので、米国株のグロース・バリュー両方のファンドがランキング上位に入っているのだ。米国株式市場はインフレ懸念による長期金利上昇により上値の重い展開になっているが、10月以降も米国ファンドの人気が継続するかどうかに注目だ。