レオス・キャピタルワークスが運用する投資信託「ひふみ投信」と「ひふみプラス」が、格付投資情報センター(R&I)が選定する「R&Iファンド大賞2025」において、投資信託10年/国内株式コア部門で優秀ファンド賞を受賞した。

継続的な受賞、評価の背景にあるものとは
R&Iファンド賞とは、5000本を超える投資信託の中から中立的な立場で「優れた運用実績を示したアクティブファンド」を表彰するアワード。
ひふみ投信は、投資信託10年部門において7年連続の受賞となる。この継続的な実績は、同ファンドの「守りながら増やす」という運用方針と、長期的な視点に基づいた投資戦略が市場から評価された結果と考えられる。
レオス・キャピタルワークスの代表取締役社長兼シニア・ファンドマネージャーの藤野英人氏は、受賞について次のようにコメントしている。
「『R&Iファンド大賞2025』を今年も受賞できたことは、現在マーケットが大きく変動している中で大きな励みになる受賞です。投資信託10年部門においてひふみ投信が7年連続で認められたことを大変うれしく思います」
「ひふみ」シリーズのコンセプトと投資戦略
ひふみ投信とひふみプラスは、「日本を根っこから元気にする」をコンセプトに掲げ、主に日本の成長企業に投資を行う。
ひふみ投信は、レオス・キャピタルワークスが直接販売する投資信託。投資家が自由に金額と引落し月を設定できる「自由つみたて」システムを採用している。積極的な情報開示と保有期間に応じて信託報酬を実質的に還元する「資産形成応援団(信託報酬一部還元方式)」という日本初の仕組みを導入し、長期的な資産形成を支援する。
一方、ひふみプラスは、銀行や証券会社など102社の販売会社を通じて間接販売される投資信託。ひふみ投信と同じ「ひふみ投信マザーファンド」に投資しているため、組入銘柄に相違はない。
藤野氏は今回の受賞に際し、「『日本や海外の成長企業に投資』『守りながらふやす運用』『顔が見える運用』をこれからも大切にし、一、二、三(ひい、ふう、みい)と一歩一歩皆様と歩んでいけるよう、引き続き全力を尽くして運用してまいります」と述べ、今後も顧客との緊密な関係を維持しながら、持続可能な成長を目指す姿勢を示した。
個人投資家にとっての魅力と注意点は何か
R&Iファンド大賞で受賞を果たした「ひふみ」シリーズ。同シリーズの運用方針において、個人投資家が注目すべき点はどこにあるのか。
最大のメリットは、長期的な資産成長が期待される点だろう。成長が見込まれる企業を選定し、短期的な市場の変動に左右されずに投資を継続する運用戦略によって、投資家は複利効果を通じて着実な資産増加を目指すことが可能となる。また日本の成長企業への投資という面では、経済の活性化に貢献しながら、成長の果実を投資収益として享受する機会も得られる。透明性の高い情報が開示されることで、投資家は納得感を持って投資を継続しやすくなるだろう。
一方で注意点もある。長期投資であっても、市場全体の変動や、投資先の個別企業の予期せぬ業績悪化による元本割れのリスクは常に考慮しておきたい。また、成長企業の選定は容易ではなく、ファンドの運用担当者の分析や判断が期待通りの成果につながるとは限らない。運用担当者の情報発信の魅力や頻度、過去の受賞歴や運用実績も重要な情報だが、あくまで参考情報の1つとして捉え、常に最新の実績を収集し、慎重な投資判断を心掛けるべきだろう。
したがって、個人投資家が「ひふみ」シリーズや同様の運用方針を掲げるファンドを検討する際には、メリットと注意点を総合的に理解し、投資目標、リスク許容度、投資期間などを十分に考慮した上で判断することが必要となる。