3人のプロフィール A氏:最近企業年金基金に常務理事兼運用執行理事として着任、本体では経理・財務関係の仕事に長年従事してきた。 B氏:常務理事兼運用執行理事として8年の経験があるベテラン。プライベートアセット投資には積極的。 C氏:B氏同様運用経験の長いベテラン常務理事兼運用執行理事。最近プライベートアセット投資にはやや慎重姿勢。 |
改めて考えるPA投資の意義
A氏 これまでのBさん、Cさんとの議論を通じてPA投資の概要やリスクの所在が理解できるようになりました。2022年度のように株式も債券も全て駄目、オルタナ投資であるマルチアセットやヘッジファンドも低迷するような状況では、安定したリターンを獲得していくために、PA投資への取り組みが必要と改めて認識した次第です。
B氏 2023年度は株式が高騰しポートフォリオ全体のパフォーマンスも平均的なDBで8%台のリターンになったと思いますが、今後も株式が好調を持続する保証はなく、Aさんご指摘のように2022年度を振り返って考えると、伝統4資産主体のポートフォリオでは継続的に安定したリターンを実現するのが難しくなってきており、他の多くのDBでもPA投資の割合を増やしたい、新たにPA投資を始めたいという声は多いようですね。ただ、PA投資ならなんでもよいのかということでもなく、米国の不動産やベンチャーキャピタル(以下VC)は長引く高金利の影響で今は様子見というところでしょうか。