今井氏は、日本企業の変化について、「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の改革」に努め、「経営体制や株主還元を見直し」、「スチュワードシップ(責任ある投資家)を重視する機関投資家との対話」に注力し始めたことに着目する。変化が始まったのは、アベノミクスがスタートした2012年12月頃からのことだという。
フィデリティでは、当時から投資先企業との対話を重ね、企業の変革を促してきた。ここ十数年で、「日本企業の成長に対する考え方、投資家との向き合い方、そして、ESGへの取り組みが大きく変わった。ESGについては先行する欧州に大きく遅れているといわれてきたが、もはや、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同企業数が世界で最も多くなるなど、欧州企業に日本が追い付くステージになった」(今井氏)と評価している。