最近、葉物野菜の値段が高くなっている理由は、長雨や台風、水害の影響などです。その原因となっている地球温暖化は、漁業にも影響を及ぼしています。米価は下がっていますが、キノコ類や根菜類、戻りカツオのように、あまり値段が上がっていないものもあります。
野菜や魚の価格が揺れる一方、キノコは安定。植物工場・陸上養殖に高まる安定生産への期待
最近の生鮮食料品は9月以降の天候不順の悪影響を大きく受けています。特に深刻なのは葉物野菜です。水分過多と日照不足でレタス、ハクサイ、キャベツなどが大きく値上がりしています。それでも土の中で育つ根菜類の価格は安定しています。また、施設内で生産されることの多いキノコ類は比較的天候の影響を受けにくいです。コメは昨年の令和の米騒動の反動で作付けが増えたこともあり、例外的に値段は大きく下がっています。
サンマや鮭など秋の味覚の魚類も総じて不漁です。原因は地球温暖化による海水温の変化だとされています。それでも中には豊漁の魚種はあります。今年は特に日本の夏の間に北の寒い海で栄養を蓄えた戻りカツオは脂の乗りが良く、豊漁のため価格も安くなっています。
豊作や豊漁のおもしろいところは、味が良いものが増え、値段が下がることです。外食などでは通例なら味が良いと値段は上がります。これとは逆の現象が起こるのです。
近年は地球温暖化の影響で毎年のように天候不順が発生しています。そのたびに総じて生鮮食料品の値段が上がります。そこで有力視されるのが植物工場と魚の養殖です。現に工場で生産されるキノコ類は価格が安定しています。
実は植物工場は数年前に大手企業が進出してブームになったことがあります。しかし、電気代や人件費や輸送費の上昇で採算が合わなくなり、撤退が相次ぎました。
高市政権は17分野を対象とする成長戦略を発表しました。この中に「フードテック」が含まれています。2040年までに官民合わせて9.7兆円の投資が見込まれています。その内訳は、植物工場4.6兆円、陸上養殖2.9兆円、食品機械に1.2兆円、新規食品1.0兆円です。植物工場は再チャレンジに向け、人工知能(AI)を組み込んだ自動収穫ロボットの導入、品種改良による栄養価の高い機能性野菜の栽培などの改善がなされています。安全保障を考える上では防衛力の強化だけでなく、食料の安定供給を確保する視点も重要です。
(埼玉新聞 2026年10月26日掲載)
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