<前編のあらすじ>

幼稚園児の娘・未来を育てる専業主婦の沙織は、学芸会の衣装について周囲が華やかな服を用意していることを知る。市販品の購入を夫・健太に相談するが、「作ればいい」と却下され、裁縫が苦手ながら自作に挑戦することになった。

慣れないミシンで何度も衣装を縫い直す沙織。しかし丈や形が思うように仕上がらず、材料の買い足しも必要になった。

残り1週間となっても衣装は未完成。沙織は市販品の購入や製作代行を提案するが、健太は費用を理由に拒否する。さらに「専業主婦なんだから」「未来がかわいくないの?」と言われ、沙織は怒りを抱えながら1人で衣装を完成させる方法を考える。

●前編【「専業主婦なんだから」学芸会の子どものために金を出さず、手伝いもしない夫に追い詰められる妻】

縫製経験のある義母が登場

学芸会まであと数日となった夕方、家のインターホンが鳴った。夕食の支度をしていた沙織に代わり、健太が玄関へ向かう。ほどなくして、驚いた声が聞こえてきた。

「母さん? 何しに来たの?」

沙織も濡れた手を拭いながら玄関に顔を出す。ドアの前に立っていたのは義母の頼子だった。足元には、普段の訪問では見ない大きめのバッグまで置かれている。

「何って、衣装作りよ」

「衣装?」

「数日泊まるから。ほら、これ持って」

頼子がバッグを差し出すと、健太はますます困惑した。

「なんで母さんが……」

「私がお願いしたの」

健太が振り返る。

「沙織が?」