会社員など厚生年金に加入していた方が亡くなった場合、その遺族に遺族厚生年金が支給されます。支給先は亡くなった人の配偶者、特に夫を亡くした妻が圧倒的に多いのですが、亡くなった人の父母も対象に含まれます。ただ、支給には細かい条件があります。
息子に先立たれた年金暮らしの夫婦
正明さん(72歳)と、妻の美佳子さん(68歳)は年金生活を送っていました。正明さんは長い間会社に勤めていたので、老齢厚生年金を150万円、老齢基礎年金を80万円、合計230万円受給していました。
一方、美佳子さんは会社に勤めていた期間が短く、専業主婦の期間が長かったため、老齢厚生年金を10万円、老齢基礎年金(振替加算込み)を85万円、合計95万円で受給していました。
息子の大輔さん(38歳)は未婚で、大学卒業以来、会社に勤務していましたが、実家暮らしを続けていました。正明さん・美佳子さんは本心では、大輔さんに早く結婚してほしいと思っていましたが、大輔さんは家のことを進んでやってくれたり、両親2人を旅行に連れて行ってくれたりと、親孝行でした。そのため、正明さん・美佳子さんは大輔さんを自慢の息子だと思い、感謝こそしていましたが、家を出るように言うこともありませんでした。
しかし、そんな息子・大輔さんに異変が起こります。2年ほど前から体調が思わしくなかったのですが、日増しに悪くなり、ついに余命宣告を受けることになりました。
大輔さんは休職することになりましたが、また仕事に復帰したいと思っていました。ただ体調が回復せず、在職中のまま亡くなってしまいました。
