夫が隠していたまさかの事実

「ごめん。実は……隠していた借金が、250万円あるんだ」

結婚5周年の記念日、少し奮発したフレンチレストランの帰りに、夫の口から出たのはそんな言葉だった。冗談だと思いたかった。ワインの酔いが一瞬で冷め、心臓が強く絞られる。私の目の前が、文字通り真っ暗になった。

私の名前は美穂(仮名、34歳)。都内のIT企業で時短勤務のパートをしており、夫の健太(仮名、36歳)は中堅の専門商社に勤めるサラリーマンだ。4歳になる娘が一人。お互いの収入を合わせれば、贅沢はできなくても将来を見据えた貯蓄ができるはずだった。

私は健太を「真面目で控えめな人」だと信じ込んでいた。毎月渡す3万円のお小遣いでやりくりし、服もユニクロばかり。ギャンブルだって一切したことがない。

しかし、現実は違った。彼が震える手で差し出してきたスマホの画面には、クレジットカード4社のリボ払い残高が、これでもかと並んでいた。総額253万円。

「なんで……? あなた、ギャンブルもしないのに、何にそんなお金使ったの!?」

私の声は、夜の静かなリビングで悲鳴のように響いた。健太は床に頭を擦りつけるようにして土下座している。

「会社の後輩たちとの飲み会で……。役職も上がったし、ケチな先輩だと思われたくなくて、毎回俺が全額奢ってたんだ。あとは、付き合いで行くゴルフの道具とか、ブランドの時計とか……」

あまりのくだらなさに絶句した。最初は数万円のつもりだったらしい。それが、リボ払いの高い金利によって雪だるま式に膨み、気づけば毎月の返済額が健太のお小遣いを超え、別のカードでキャッシングしては返す自転車操業に陥っていたのだ。