発達障害の場合、「障害年金」はいくらになる?

ここまでの話をふまえると、秀一さんは発達障害の可能性もありそうです。

そこで筆者は、仮に秀一さんに発達障害があったものとして障害年金の説明をすることにしました。

障害年金では、初診日を確認するところから始めます。秀一さんは今まで精神科や心療内科は受診していないので、これから初めて病院を受診する日が初診日となります。

初診日の時点で秀一さんは国民年金に加入中となるので、障害基礎年金を請求することになります。母親によると、秀一さんの国民年金は長い間、全額免除を利用してきたとのことなので未納期間が多すぎるといった問題はありません。よって障害基礎年金を請求する権利が発生します。

障害基礎年金は1級と2級があり、1級が最も症状が重いケースです。発達障害の方で1級に該当するのは稀なので2級の金額を伝えることにしました。

■障害基礎年金の2級に該当した場合
障害基礎年金 7万608円
障害年金生活者支援給付金 5620円
合計 7万6228円
※2026年度のものでいずれも月額

金額を確認した順子さんは言いました。

「兄は無収入なので、これらのお金がもらえるようになるととても助かります。ぜひ障害基礎年金の請求に向けてご協力をお願いしたいです」

母親もお願いしますといった様子で深々と頭を下げました。

「もちろんできる限りご協力はします。ですが、ちょっと気になる点があるのです」

筆者がそう言うと、順子さんと母親は不安そうな表情を浮かべました。

●果たして兄は障害年金を受給することができるのか? 後編【「もう兄には後がない」51歳ひきこもり兄と80代母のため…孤立する一家を救った妹の「執念の説得」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。