就職のため自動車学校に通うも仮免すら取れない
父親は「いっそのこと手に職をつけさせよう」と考え、知り合いの工務店に秀一さんを働かせてもらえないか頼んでみたそうです。
すると「車の免許がないと雇うのは難しい」と言われたため、父親は秀一さんを自動車学校に通わせることにしました。しかし、ここでもうまくはいきませんでした。
学科の授業では居眠りをしてしまうため、教官から何度も注意を受けてしまいます。運転の実技ではさすがに居眠りはしませんでしたが、別の困ったことがありました。秀一さんはマルチタスクが苦手で、頭の中で複数の情報を処理し、それをもとに体を適切に動かすことができなかったのです。
車の運転では、前方だけでなく横や後ろにも気を配る必要があります。さらに手でハンドルやウインカーを操作しつつ、足でアクセルやブレーキを使いスピードを調整する必要もあります。そういった一連の動作をスムーズにこなすことができずオロオロしてしまい、教官から厳しい指導を受けてしまうのでした。そのようなことですっかり嫌気がさしてしまった秀一さんは、仮免すら取得できないまま自動車学校に行かなくなってしまいました。
自動車学校のお金は父親が出していたので、これには大激怒。
「勉強も駄目。アルバイトも駄目。車の運転も駄目。こいつは正真正銘の駄目人間だ! もうこんな奴は知らん!」と突き放しました。
家の中で顔を合わせると父親は怒りを露わにするため、秀一さんは自室にひきこもるようになってしまったそうです。
母親は「本人の性格だからどうすることもできない」と思って諦めていたようで、何か行動を起こすことはありませんでした。
順子さんは家庭環境の悪化に嫌気がさし、就職を機に実家を出ていきました。
