市況の要因大 今期は上方修正も5割の最終減益

株価の変動要因として、まず押さえておきたいのが海運市況です。海運株の業績は、海運市況に左右される傾向にあります。

商船三井の株価の中長期の急騰は、業績の拡大を反映したものと考えられます。業績の拡大は、海運市況の上昇によってもたらされました。コロナ禍やロシア・ウクライナ問題で海運需要が高まるなか、中東情勢からスエズ運河を避ける動きがあり、市況は大幅に上昇しました。商船三井は、持分法で経常利益以降に影響するグループのコンテナ船を中心に利益が急増します。

海運市況が落ち着くに伴い、商船三井の利益も下落しました。もっとも、経常利益以降はピークから下落しているものの、現在もコロナ前を上回る水準です。また、足元は営業利益が伸びていることから、ドライバルク船や自動車船といった自社の操船事業は好調な様子がうかがえます。

商船三井の業績(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:商船三井 決算短信より著者作成
 

今期(26年3月期)は減益の予想です。主力のコンテナ船や自動車船、またケミカル船で市況のピークアウトを予想し、採算の悪化を見込みます。なお、通期の見通しは上方修正しており、最終益は期首計画から300億円上振れの2000億円に引き上げました。原油船や自動車船が好調だったほか、米国による外国製船舶からの入港料徴収の延期措置が影響し、利益は想定を上回る見通しです。

【商船三井の業績予想(26年3月期)】

・売上高:1兆8300億円(+3.1%)
・営業利益:1250億円(-17.1%)
・経常利益:1800億円(-57.1%)
・純利益:2000億円(-53.0%)
※()は前期比
※同第3四半期時点における同社の予想

出所:商船三井 決算短信

海運株は市況の影響が大きい傾向にあります。市況が上昇するなら、株価には上昇圧力が働きやすいでしょう。

海運市況は、ばら積み船はバルチック海運取引所が毎日公表する「バルチック海運指数」が、コンテナ船は上海航運交易所(SSE)が毎週公表する「中国輸出コンテナ運賃指数(CCFI)」および「上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)」が主な指標です。商船三井に投資するなら、これらの動きも把握しておくことが望ましいでしょう。