大西誠さん(仮名)はIT関係のスタートアップ企業で広報、宣伝業務に携わる34歳の会社員。独身ですが、2年ほど前から6歳年下の彼女と一緒に暮らしています。彼女とは、取引先の担当者として出会いました。人目を引くルックス、陽気な愛されキャラで家庭的と「自分には出来すぎた彼女」ですが、結婚には踏み切れずにいました。最大の要因は、大西さんと彼女の経済格差です。
彼女は裕福な家庭のお嬢様。MLBのドジャースの大谷翔平選手の“にわか”ファンですが、昨年だけで2度もロサンゼルスに足を運んでいます。しかも、宿泊したのはセレブ御用達の超高級ホテルでした。一方、父親が亡くなった後、女手一つで大西さんを東京の大学まで行かせてくれた母親は郷里で困窮生活を強いられていました。久しぶりに実家に帰って母親に仕送りを受け取ることを約束させた大西さんは、重い足取りで戻った自宅マンションであるものを見てしまいます。大西さんに「彼女との結婚はムリ」と決断するに至った悲壮な経緯を話してもらいました。
〈大西誠さんプロフィール〉
東京都在住
34歳
男性
会社員
会社員の彼女と同棲中
金融資産500万円
庶民には想像もつかない贅沢な彼女の生活
取引先の担当者だった亜里沙と一緒に暮らすようになってもうすぐ2年になります。私も今年35歳になるので結婚も考えないわけではありませんが、なかなか踏み切れずにいました。
ネックになっていたのが、お互いの経済感覚の違いです。
亜里沙は裕福な家庭に育ったお嬢様で、身に着けるものや普段の食事、レジャーなどにかける費用は私とはケタ違いです。例えば、亜里沙はMLBのドジャースに入団した大谷翔平選手のファンなのですが、昨年はドジャーススタジアムでの試合を観戦するためにロサンゼルスまで2回も足を運んでいました。
宿泊したのはドーチェスター・コレクションやフォーシーズンズなどの最高級ホテルです。「せっかくロスまで行ったので、サンタモニカのミシュランスターのレストランでディナーを楽しんできた!」とも話していました。
2回のロス旅行でどれだけ散財したのか、庶民の私には想像もつきません。
私たちが今暮らしているのは、もともと私が一人で住んでいた賃貸マンションなので、家賃や光熱費などは基本的に私が負担し、亜里沙は食費や雑費を出してくれています。しかし、勤務先が違うこともあり、お互いにどれくらい稼いでいるのか全く知りませんし、亜里沙に年収を尋ねる勇気などとてもありません。
私は以前から給与の一部を積み立て投資に回してきましたが、亜里沙は「そういうのは全然興味ない」と言っていたので、あの使いっぷりからして、入ってくる収入は全て消費に回しているのだろうと推測していました。
とはいえ、亜里沙は仕事大好き人間でもあるので、結婚したり子供が生まれたりした後も働き続ける可能性が大です。会社員として定年近くまで働けば、老後はそれなりの年金も受け取れますし、私がしっかり蓄財しておきさえすれば、それほど将来の経済状態を気にかける必要はないのかもしれない。そんなふうに考えようとしたこともありました。