8割超「2025年に賃上げを実施」は過去最高も、企業規模で格差
最初に2025年度の賃上げ予定から見ていこう。今回参考にするのは東京商工リサーチによる5000社を超える企業を対象にした調査だ。
結果を見ると、2025年度に賃上げを「実施する」と回答した企業は85.2%に達した。コロナ禍の2020年には57.5%まで低迷したが、その後は回復基調に。2022年以降は8割以上をキープし、今回は2016年度の調査開始以来、過去最高を更新する見込みだ。
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規模別※で見ると、大企業では賃上げ実施企業の割合が約92.8%だが、中小企業では約84.6%と8ポイント以上の格差がある。
※調査では資本金1億円未満を中小企業と定義。
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持続的な賃上げに慎重な企業が3割を超える
賃上げを実施したとしても、単年度だけでは家計への効果は限定的だと考えられる。持続的に賃上げができるのかが気になるところだ。
調査では、前問の賃上げ実施企業に対し、「向こう5年先まで見通した場合、毎年の賃上げを実施できそうか」を質問している。
結果、最も回答率が高いのは「毎年実施できるか不透明」で29.3%だった。そして「おそらく(60%程度)毎年実施できる」(28.8%)が続く。「必ず毎年実施できる」は13.8%にとどまった。
また規模別では、中小企業は大企業に比べて「毎年実施できるか不透明」が4ポイント以上多く、逆に「必ず毎年実施できる」が2ポイント以上少ないなど、持続的な賃上げに慎重な企業が多いことを示唆する結果となった。
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