骨太の方針でも大注目のiDeCo改革、NISAの次の台風の目となる?
自分で決めた掛金額を積み立て、運用することで老後の資産をつくる私的年金制度のiDeCo。年末にかけて議論される年金改革に注目が集まっています。
2024年6月21日に経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が閣議決定され、iDeCoの掛金上限額と受給開始年齢、この2つの引き上げについてともに結論づけられることが決まったからです。
現在、iDeCoの掛金は、自営業者6万8000円、会社員1万2000円~2万3000円、公務員1万2000円、専業主婦(夫)2万3000円がそれぞれ月額の上限となっています。この上限額がそれぞれ引き上げられれば、より老後の資産形成の自由度が増します。なお、現在のiDeCoの受給開始年齢の上限は75歳です。こちらも就労機会の拡大の機運に伴い、見直しが進められます。
この骨太の方針によるiDeCoの掛金上限額アップの実現はまだ先の話ですが、一方で今年12月から始まることが既に決まっている制度改正があり、こちらは会社員、公務員の方の多くで掛金の上限額がアップします。詳しくは「2024年のiDeCoはこう変わる! 拠出限度額が引き上げ予定の公務員・会社員には注意点も 」をご覧ください。
24年12月から改正される掛金上限額については、公務員の方の場合は特に分かりやすく、iDeCoの掛金上限額が今までの月額1万2000円から同2万円へと8000円アップします。年額に直すと14万4000円から24万円に大幅アップ。2024年12月以降、つまり2025年1月引き落とし分のタイミングから開始されます。
注意点としては、2つ。1つ目は掛金額を変更したい場合は手続きが必要なこと。上限額が上がる場合でも自動では変更されないため注意が必要です。
2つ目はiDeCoの掛金を年払いなど(年単位拠出)にしている人は、毎月払い(定額拠出)への変更手続きが必要なこと。手続きをしないと、2024年12月分掛金(2025年1月引き落とし)からiDeCoの掛金が引き落とされなくなってしまいます。手続きの方法の詳細は運営管理機関に問い合わせることをおすすめします。