今年の株式市場は「利上げ」がテーマの1つになりそうです。アメリカで3年ぶりの利上げが予想され代表的な株価指数S&P500は2月末で年初来8%を超える下落を見せています。

3月15日はアメリカで最後の利下げが行われた日です。新型コロナウイルス対策から2020年に緊急利下げが行われました。今日は「アメリカが利下げした背景」と「金融政策の基本」、また「利上げで期待できる株式」について確認しましょう。

新型コロナ対策で0~0.25%まで緊急利下げ

2019年12月末、WHO(世界保健機関)の中国事務所に武漢市で原因不明の肺炎が検出されたと報告されました。現在まで世界中を混乱させている新型コロナウイルスの発生です。感染者は爆発的に増加し、世界中で4億4700万人を超える方が感染しました(2022年3月8日時点)。

出所:NHK特設サイト「新型コロナウイルス 世界の感染状況」

アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は2020年3月、経済への影響を鑑み緊急的に金利を0~0.25%にまで引き下げます。同じ月に2度も利下げする異例の対応で引き下げ幅は1.5%にもなりました。

【FRBの金利推移】
~2018年11月:2.00~2.25%
2018年12月:2.25~2.50%
2019年7月:2.00~2.25%
2019年9月:1.75~2.00%
2019年10月:1.50~1.75%
2020年3月(1回目):1.00~1.25%
2020年3月(2回目):0.00~0.25%

出所:日本貿易振興機構(ジェトロ) ビジネス短信

今月はおよそ2年間続いてきたアメリカの低金利政策の転換が予想されています。FRBのジェローム・パウエル議長はこれまで2022年3月の利上げを示唆してきました。直近は物価も高進しているため利上げは確実視されています。仮に利上げとなれば2018年12月以来およそ3年3カ月ぶりで、市場では0.25%または0.50%の利上げを予想する声が多いようです。

FRBの政策が話し合われるFOMC(連邦公開市場委員会)は3月16日まで開催され、内容は日本時間の17日未明に発表される予定です。