自分がもらえる年金、月にいくらかご存知ですか」。人生100年時代、大多数の人に関係し、「もらえる」というポジティブな情報でありながら、即答できる人はほとんどいません。しかし、おさえるべき知識を身につけておけば、リタイア後に向けたマネープランはもっとスムーズに、自分の思う通りに組めるはず。証券会社に所属し、企業等の従業員に向けたライフプランや資産形成のセミナー講師を務める小出昌平氏が、マネープランのよくある疑問について解説する連載。今回のテーマはつみたてNISA。「長期・分散・積立」投資を実践するのに打ってつけの制度の筆頭格でしょう。ただ現実には「口座は作ったものの、利用していない（＝投資していない）」人もいるそうで……。そんなつみたてNISA「買付0円問題」を2回にわたって深掘り。後編では、今まさに「買付0円」状態にある人がどう一歩を踏み出せばいいかのアドバイスを送ります！
「つみたてNISAの口座を作っても、利用していない」という人がいます。
金融庁の調査※1によると、2020年12月末時点で、つみたてNISAは約302万口座あるものの、2020年に一度も買付がなかった口座は約98万口座と、全体の約32％にのぼるそうです。
※1 出所：金融庁「NISA口座の利用状況調査(2020年12月末時点)」、割合は筆者が試算
前回はこれを、つみたてNISAの「買付0円問題」として、その真相を探りました。そして、その数字を少し深堀りしてみると、実は、つみたてNISAの利用が若者を中心に名実ともに進んでいる様子が浮かび上がってきたのです。まだ口座を作っていない人には、「ぼやぼやしてられませんよ」、そんなメッセージとしてセミナーでよく紹介している話です。
でも、せっかくの税制優遇の口座なのに、利用しないのはもったいないですね。口座を作ったのに、なぜ利用しないのか？ 今回はその理由を探るとともに、そんな人への一言アドバイスを考えてみました。
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