finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

自民党が迫る「金融機関のデータ連携強化」でビジネス環境はどう変わる?【オフ座談会vol.5:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2025.05.29
会員限定
自民党が迫る「金融機関のデータ連携強化」でビジネス環境はどう変わる?【オフ座談会vol.5:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】

財研ナオコ氏 石破政権の発足後、しばらく金融庁まわりは比較的静かだったけど、ここに来ていろいろ動き出しているみたいだね。

本石次郎氏 今のところ業界側であまり注目されていませんが、銀行・証券・保険会社など業種の垣根を越えて利用者の資産データを集約する仕組みが整いそうです。

財研ナオコ氏 自民党デジタル社会推進本部が5月20日に政府へ渡した提言で、「非銀行分野におけるAPI連携の推進」が盛り込まれたからね。

かやば太郎氏 「API連携」???  すみません、横文字が苦手なもので、かみ砕いて説明してくれますか?

本石氏 金融機関が保有している顧客のデータは当然、それなりに厳格に管理されています。でも完全に外部と遮断されていると、他の事業者と連携したサービスを展開することができません。そこで、スマホのアプリなどに接続する際に使う、「データの通り道」を用意しています。その「通り道」にあたるAPIの仕様を公表することを、「オープンAPI」と言います。

かやば氏 何となく分かりました。その「オープンAPI」の動きは、金融ではどれくらい広がっているんですか。

財研氏 銀行については2017年の銀行法改正でオープンAPIが努力義務化された。一方で保険界や証券界ではあまり進んでいないね。

本石氏 今回の自民党の提言内容は、政府の「システム利活用制度・システム検討会」の議論とリンクしています。2月の会合では、オープンAPIの推進が議題に上っただけでなく、事務局側がマイナポータルなど政府提供サービスとの連携も選択肢に挙げていました。

財研氏 データ連携にマイナンバーを絡める案については、事業者間で評価が割れている。確かに繁雑なシステム整備を一気に進められるかもしれないけど、「マイナンバーが絡むと炎上しやすく、結局は議論が先送りされるのでは…」(大手フィンテック幹部)と心配する声も聞こえるよ。

本石氏 データ連携の目的の一つは、金融機関の利用者が銀行や保険会社など各所に散らばっている資産情報を一元的に把握することで、国民が将来のライフプランを策定しやすい環境を整えることにあります。ただ、データ連携が進むと情報の非対称性が一気に解消され、ビジネス環境を一変させるかもしれませんね。

財研氏 そもそもAPI連携は各業界内で反発が大きいのも事実だ。各社が保有しているデータは付加価値の源泉であり、これをタダ同然で他社に渡すことには当然、抵抗があるだろう。

かやば氏 でも、見方を変えれば、利用者が自身で把握した資産状況について情報を共有してくれるくらいの信頼関係を築ければ、既存の金融機関にとって全くうまみのない話でもないんじゃないでしょうか。

財研氏 そういえば政府の検討会では、データを一元的に集約してアドバイスに生かせるよう、投資助言業の簡易的な新枠を作ることを一部委員が提案していた。

本石氏 金融庁の宿題は他の科目でも積み上がってきています。大手グループの運用高度化の取り組みについて横断的なモニタリングを実施し、6月にもその結果を公表する予定です。

かやば氏 各大手グループはすでに、運用力の高度化に向けた取り組み内容を報告し、金融庁側が一覧化して公表しています。その中には、国産AI分野への出資など、政府方針と親和性の高い記載も見受けられますね。

財研氏 金融庁は岸田政権下で「成長と分配」のインベストメント・チェーンの青写真を描く中で、「誰がリスクマネーを供給するか」に力点を置く一方、「誰がリスクマネーの受け手となるか」については具体的な情報発信を避けていた。石破政権で風向きが変わり、政府が特定の戦略分野へ資金供給を集中させていることに対し、今のところ否定的な声はほとんどない。金融庁の新たなレポートで、どのようなバランスの書きぶりになるのかも注目だ。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融庁
  • #NISA

おすすめの記事

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
③日本の金融リテラシー向上へ、将来の資産運用を支える人材を育てる

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
②DX・企業価値・サステナ・オルタナの4分野で日本を動かす

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

finasee Pro 編集部

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

10億円以上の資産家が多いのは山口県、北陸ではNISA活用が進む。県民性から読み解く日本人の投資性向とは?

Finasee編集部

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
楽天証券の売れ筋は「順張り」の米国株ファンドが浮上し、「逆張り」の日本株ファンドが後退
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
データが映すインデックス時代のアクティブ再考ーー「安さ」だけでは、人は持ち続けない
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス
「国債でも減損処理しなければならないケースがある」とは?
常陽銀行の売れ筋は年替わりでリスクオン、「ゴールド」や「WCM 世界成長株厳選」が大幅にランクアップ
常陽銀行の売れ筋で「ノムラ・ジャパン・オープン」がジャンプアップ、インデックスを大幅に上回る圧倒的な運用成績
野村證券の人気は国内株ファンドにシフトが鮮明、「米国株」アクティブファンドはトップ10から消える
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
【金融風土記】地元愛「日本一」、愛知の金融動向を深掘りする
【プロが解説】資源安全保障の観点から見たサーキュラーエコノミーの価値ーー資源調達の構造をどう変えるか
投資信託の為替ヘッジを“今”見直す理由
常陽銀行の売れ筋で「ノムラ・ジャパン・オープン」がジャンプアップ、インデックスを大幅に上回る圧倒的な運用成績
データが映すインデックス時代のアクティブ再考ーー「安さ」だけでは、人は持ち続けない
「5営業日以内にうっかり売買しちゃった」場合も慌てないで!
騒動中の就活の末――損保ジャパン社長が396人の新入社員に語ったこと
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
【金融風土記】地元愛「日本一」、愛知の金融動向を深掘りする
投資信託の為替ヘッジを“今”見直す理由
野村證券の人気は国内株ファンドにシフトが鮮明、「米国株」アクティブファンドはトップ10から消える
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
中国銀行で下落率が比較的大きくなった株式ファンドを選好、地元の「せとうち応援株式ファンド」もランクイン
国内株ファンドの資金流入額が急拡大、イラン紛争での下落局面を「押し目買い好機」とみたか? =資金流入額上位20ファンド
マン・グループの洞察シリーズ⑰
生産性のパラドックス:AIはいつ成果をもたらすのか?
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら