finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

日証協会長が「ETF市場拡大へ、テーマETFの組成をより柔軟に」と力説! 仮想通貨の資産性には疑念も

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2025.01.24
会員限定
日証協会長が「ETF市場拡大へ、テーマETFの組成をより柔軟に」と力説! 仮想通貨の資産性には疑念も

政府が12月に閣議決定した税制改正大綱で、NISAのつみたて投資枠について、投資できるETFの要件を見直す方針が盛り込まれた一方、金融庁が要望していたアクティブETFの解禁は見送られました。日本証券業協会の森田敏夫会長はETF市場が更に拡大していくうえで、業界側でテーマETFの組成が必要との認識を示しました。

東京証券取引所の規則改正によって23年6月に上場が解禁されたアクティブETFについて、金融庁は昨年8月の税制改正要望で、NISAつみたて枠で利用可能となるよう要件整備することを求めていました。しかし昨年末の大綱では、ETF全体の最低取引単位見直しが盛り込まれたものの、アクティブETFのNISA利用解禁は見送りとなりました。

 

日本証券業協会の森田敏夫会長は1月15日の定例記者会見で大綱の受け止めを聞かれ、「ETFは分かりやすさもあってある程度の一定の人気があり、これが良いことかどうかは分からないけれど、レバレッジが効いたものもあるので、そういう意味での人気も私はあると思う」とした上で、「これからもう一段ETFが伸びていくためには、もっと柔軟にテーマに基づいたETFを組成した方がよいのではないか」と指摘しました。

続けて森田氏は、「ただ一方でそういうのが作られすぎて、あまりにもテーマを追い過ぎると、作られたときには既にマーケットが成熟していることもあるので、そのあたりとの兼ね合いなんだろうが、そういうものがやっぱり何本かできれば」と話しました。

 

トランプ2期目は「現実的な対応を取るのでは」

政府大綱に先んじて与党が取りまとめた税制改正大綱では、一定の暗号資産を「広く国民の資産形成に資する金融商品」として位置付けて環境整備を進めることが検討事項として盛り込まれ、ビットコインETF解禁に向けた布石として注目を集めました。

森田会長は、暗号資産取引が日証協の自主規制の対象でないことから「個人的な見解」と前置きしたうえで、「国民の資産形成に資する資産になるかという点については、3点ほど思うところがある」と説明。「1点目に、一般的に暗号資産は発行者や裏付け資産がないことが多いということで、このようなところは注意しなければいけない。それから2点目に、株式のように経済的裏づけによって成り立っている理論が存在していないものが多いのも事実であり、こういうことも注意しなければならない。3点目に、各国の規制等の対応を受けて価格が大きく変動することがあることはやっぱり注意点として必要であり、このあたりが課題になってくるのではないか」と述べました。

 

トランプ大統領の2期目スタートについては、正式就任前の時点の見解として「今言われている政策、特に関税、移民防止の点でいうと、これを実際にやればインフレが起こる」と指摘。「一方、民主党政権が今回(の大統領選で)伸び悩んだ一番大きな要因は私はインフレだったと思う。アメリカの経済は好調であり、インフレが起こると経済好調でもアメリカの場合、格差が激しくなるので、低所得者の人にはインフレが効いてしまい、票の流れになってしまった。勝ったトランプ自身が民主党政権の一番の失敗はインフレ政策だったということは一番わかっているので、その意味で私は現実的な対応を取ってくるのではないかと思う」と語りました。

 

日本を含むマーケットへの影響については「トランプ氏がアメリカファースト的な動きを取ると、マーケット的にはアメリカが強くなる。アメリカの国内企業以上にアメリカの景気に一番影響を受けるのは日本株であり、日本における時価総額の高い企業は自動車、半導体、金融、今は損保も含めてアメリカで稼いでいる。投資家が中国に投資ができなくなると、アジアでは(投資資金が)日本に向かうという意味で、基本的にはマーケットはプラス要因だろうと思いが、何が飛び出してくるかというのはわからない部分があり、今後冷静に見ていきたい」と述べました。

 

また、日証協は1月14日、投資信託の目論見書や運用報告書などの紙ベースの提供義務を撤廃する改正金融商品取引法(23年11月公布)を受けて、自主規制ルールなどの改正案のパブリックコメントを開始しました。

改正金商法は、目論見書などのデジタル移行を強制するのではなく、あくまで民間側の各主体において、紙ベースを継続するか、デジタル手段に移行するかを選択できる立て付けになっています。今回の自主規制改正案では、紙を使わない情報提供において顧客の承諾を得るプロセスなどについて見直す方向性を示しています。パブコメは2月12日まで実施し、3月中に内容を審議する予定です。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融庁
  • #ETF
  • #オルタナティブ

おすすめの記事

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

トランプの米国に疲れた皆さん、欧州はいかが?日本で唯一の「英国株インデックスETF」が上場!

finasee Pro 編集部

【新NISA対象】ブラックロックから「iシェアーズ S&P500 トップ20 ETF」「iシェアーズ ゴールド ETF」が上場! 個人投資家にとっての魅力は…

Finasee編集部

日経平均はもう古い?野村アセットが参入!日本の魅力を凝縮した「JPXプライム150」連動ETFが上場 先物取引もスタート

finasee Pro 編集部

ゆうちょ銀・郵便局の売れ筋トップに新設の単位型ファンド、バランス型人気も続く

finasee Pro 編集部

【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔

文月つむぎ

第11回 投資信託選びの常識を疑え!(その3)
ターゲットイヤー・ファンドは万人向き?

篠原 滋

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

静銀ティーエム証券の売れ筋で際立つパフォーマンスをみせた「モノポリー戦略株式」とは?

finasee Pro 編集部

著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
静銀ティーエム証券の売れ筋で際立つパフォーマンスをみせた「モノポリー戦略株式」とは?
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
第11回 投資信託選びの常識を疑え!(その3)
ターゲットイヤー・ファンドは万人向き?
アクティブファンド復権!? 中国銀行で株式アクティブへの期待高まる。「ROBO」と「純金」の評価も向上
金融庁が「プログレスレポート2024」の公表を休止した深いワケ 「FDレポート」との違いが出せなくなった?
【連載】投信ビジネスのあしたはどっちだ
資産形成を達成した後…「次なる課題」
「自立と連携」を掲げて試行錯誤を重ね、確立された「銀証連携」モデルが新時代を拓く case of しずおかフィナンシャルグループ
【金融風土記】宮崎県には地方創生の「優等生」も! 地域金融機関の集約が進む
ゆうちょ銀・郵便局の売れ筋トップに新設の単位型ファンド、バランス型人気も続く
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
アクティブファンド復権!? 中国銀行で株式アクティブへの期待高まる。「ROBO」と「純金」の評価も向上
【連載】投信ビジネスのあしたはどっちだ
資産形成を達成した後…「次なる課題」
ターゲットは“デジタル富裕層”―SMBCグループとSBIグループの新会社設立により「Olive」に新たな“プレミアムクラス”
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
静銀ティーエム証券の売れ筋で際立つパフォーマンスをみせた「モノポリー戦略株式」とは?
常陽銀行にみる株式ファンドへの逡巡、「相互関税」と「中東緊張」で様子見の中を上値に進むファンドは?
【金融風土記】宮崎県には地方創生の「優等生」も! 地域金融機関の集約が進む
福岡銀行で「225」人気が衰えた理由は? 「純金」、「USリート」と「世界半導体投資」が人気化
⑥経営者保証がもたらす問題点と解決策【動画つき】
「自立と連携」を掲げて試行錯誤を重ね、確立された「銀証連携」モデルが新時代を拓く case of しずおかフィナンシャルグループ
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【アクティブファンド編】
【文月つむぎ】投信だけでなく保険販売でもFDを徹底できるか?知っておきたい「保険業法」改正のポイント
【文月つむぎ】「プラチナNISA」という言葉がない!自民党金融調査会の最新提言を読み解く
浪川攻の一刀両断
手数料自由化とファンドラップから見る日本と米国の証券リテール改革の相違
いわき信組の不正を見抜けなかった金融庁、「根本的な人員不足」も背景
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
トランプ関税の混乱を横目に「戦略的自律」をめざす欧州企業に可能性、「テンバガー・ハンター・ヨーロッパ」の視点とは?
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
三菱UFJMS証券の売れ筋にみえる国内株式ファンドへの期待、物価高で苦しむ年金生活者を支えるファンドとは?
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら