「大きな懸念ない」ならば、なぜ公表したか?
金融庁は平常時から実施している各行へのモニタリングに加え、有価証券運用におけるリスクテイク規模が大きい地域金融機関約20行を対象として、2021年後半から23年前半までの2年間にわたって重点的にモニタリングを実施しました。
モニタリングを実施していた22年以降には、米欧など海外の主要中銀が金利の引き上げを進め、外債を保有する地域銀行では多くの含み損が発生しました。金融庁担当者は「多くの市場参加者の想定を上回るスピードで金利が上昇する中で評価損が拡大したことは確かだ」と説明。その上でモニタリング対象の約20行については「総じて経営体力に見合ったリスクテイクが認められ、大きな懸念は確認されなかった」とも説明しました。
とはいえ、モニタリングにおいて特段の懸念が認められないのであれば、あえてこのタイミングで調査結果を公表したのはなぜでしょうか。