「政府からは非常に大きな枠をいただいた」――。日証協の小西賢治・政策本部証券税制部長は新たなNISA制度の決定を受けて顔をほころばせた。岸田文雄首相がロンドンの金融街・シティーで講演した際に「資産所得倍増プラン」を打ち出したのが昨年5月。この時点で首相はNISAに関して「抜本的拡充」としか言及しなかったため、すかさず日証協の森田敏夫会長が政府に「NISAの恒久化と拠出額の拡大が望ましい」と注文をつけた。
NISA改革、次のフロンティアは「職域」 日証協が熱視線 本家・英国にならえば、普及は2026年ごろか
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政府は2024年1月からNISAを大幅に拡充する方針を決め、日本でも「貯蓄から投資へ」の流れが加速しつつある。年間投資枠は合計360万円まで引き上げられ、金額の水準だけをみれば制度の本家本元である英国を超えた。約270の証券会社が加盟する日本証券業協会(日証協)は政府の決定を歓迎する一方で、NISA改革の次なるフロンティアを見据えて動き出している。「職域」だ。