義母が打ち明けた本当の気持ち

征子は落ち着いた声で続けた。

「……なんだか寂しかったの。ゴールデンウィークに毎年来てくれてたのがなくなって、それでお中元も忘れたって聞いて、なんだか私の存在自体を忘れられていくんじゃないかって気がしちゃったの」

佳織は黙って征子の言葉を聞いた。

「だからつい、面倒だったんじゃないかなんて当てつけみたいなことを言っちゃったの。佳織さんがそんなことを思う人じゃないって分かってたのに……」

「お義母さん……」

「だからもう今回のことはこれで終わりにしましょう。素敵なプレゼントももらっちゃったし、本当にもう私は気にしてないから」

征子の話を聞いて、佳織はしっかりとうなずいた。

「……はい。もう二度とこのようなことのないようにします」

「いいのよ。それと博樹の手紙に試合に出るって書いてあったけど、これは本当なの?」

「ああ、そうなんです。今月末に試合があって、博樹は出してもらえそうなんです。初めての試合出場なんで、私たちは応援に行く予定なんです」

電話の奥で征子の迷うような声が聞こえた。

「……そう。初めての試合なの」

「お義母さん、もし可能でしたら一緒に応援しませんか? 交通費などは私たちで出しますので」

お金のことなどは全て健吾と話し合い済みだった。

「……そうね。博樹の晴れ舞台だから、ぜひ応援に行かせてもらおうかしら」

征子の言葉に佳織は思わず声が大きくなった。

「本当ですか!」

「うん。やっぱり皆に会いたいしね」

「お待ちしてます! 博樹も喜びます!」

佳織は無事に約束を取り付け、電話を切った。