<前編のあらすじ>
近藤さんは情報リテラシーが高く、新しいものをいち早く取り入れるタイプ。インターネットを知り、使い始めるのも早く、また、仮想通貨にもいち早く興味を持ち、トレードを繰り返して成功した。
そんな近藤さんが亡くなった。長男の剛生さん、次男の悠斗さん、長女の麻子さんの3人で遺産分割することになった。
近藤さんの遺産には仮想通貨も含まれていた。だが、長男・剛生さん、次男・悠斗さんは仮想通貨の相続に興味を示さなかった。
一方、長女・麻子さんは、仮想通貨が史上最高値をつけているのを見て、「仮想通貨は全部私が相続する」と宣言。ほか2人も異存はなかったので、遺産分割協議はスムーズにまとまったのだが……。
●前編:【「仮想通貨で大儲け」のはずだったのに…遺産分割で「仮想通貨は全部私がもらうね」と言った長女を待っていた地獄】
仮想通貨が暴落…
人生は思った通りにいかないのが常。年が明けて少し経つと、麻子さんが相続した仮想通貨が大きく値下りし、最高値だった秋から見ておよそ半分になってしまった。まさしく絵にかいたような暴落だった。
ただ、そんな激しい値動きが当たり前に起きるのが仮想通貨。平時でも1日数パーセントの値動きが発生するし、一定のサイクルで価格が半減したり急騰するという非常にリスクの高い金融商品なのである。
今回、麻子さんが経験した暴落局面は、ミーハーなトレーダーがむしろ買い場だと飛びつくような局面でもあったが、反面、ベテランのトレーダーの中には暴落を予想していた人も多かった。
いずれにせよ、麻子さんの相続財産が半減した一方で、剛生さんと悠斗さんが相続した株は値下がりしていないどころか、むしろ値上がりすらしていた。
すると麻子さんとしてはどうしても不満を持ってしまう。
「なぜ自分だけこんな目にあわなければならないのか……」
それだけでなく、麻子さんは次第に、「これは兄弟2人が裏で仕組んで、自分を陥れたのではないのか……」という歪んだ考えを持つようになっていった。
歪みはさらに増し、剛生さんと悠斗さんに対して「仮想通貨を相続すると損をすると分かっていて、私に押しつけたのではないか?」と、直接不満をぶつけるようにもなった。
その上、「結果的に不公平が発生している以上、遺産分割をやり直すべきだ!」と要求してきたのだ。
