引き続き厚生年金に加入すれば年金は増える
厚生年金加入者(国民年金の第2号被保険者)の場合、老齢基礎年金が満額になるためには「20歳以上60歳未満」のあいだの40年間その加入が必要です。そうすれば、40年間保険料納付済期間となって満額に達します。
隆弘さんの場合、高校卒業後に就職したため、18歳の入社時から厚生年金に加入しているので、58歳の現時点で数えて厚生年金加入期間そのものは40年になっています。
ただ、20歳以降で計算すると、38年ちょっとしかないため、老齢基礎年金はまだ満額になっていません。
しかし、隆弘さんの「ねんきん定期便」では、老齢基礎年金が満額で表示されていました。
これは、50歳~60歳までに届く定期便では「60歳になるまで今の条件で加入し続けた場合の見込」で表示されているからです。このまま今の条件で60歳になるまで厚生年金に加入すれば、40年の保険料納付済期間になって老齢基礎年金が満額に達することを意味しています。
隆弘さんが今後も同じ条件で厚生年金に加入すれば、60歳までは老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金(報酬比例部分)が増えてその合計が230万円になり、60歳以降に加入を継続すれば、老齢厚生年金(報酬比例部分)だけは掛けた分に応じてさらに増えることになります。
そのため、実際に65歳からもらえる金額も、58歳時点のねんきん定期便の見込額230万円より多くなります。
高卒と大卒で増え方が変わってくる
こうして、隆弘さんは今後の厚生年金保険料が掛け捨てにならないことに安心し、今後の年金の増え方に納得したのでした。
隆弘さんの場合は高校卒業後に厚生年金に加入した場合の増え方となりましたが、大学卒業後に厚生年金に加入した人の場合は年金の増え方がまた異なります。大学生の間(20歳以降、卒業時まで)に国民年金保険料を納めていなければ、23歳ごろから60歳になるまで会社に勤務したとしても、老齢基礎年金は満額にはなりません。
しかし、60歳以降も厚生年金に加入すれば、老齢基礎年金が増えない代わりに経過的加算額が増えることになっています。基礎年金に相当するこの経過的加算額は厚生年金加入期間として40年の加入を上限に増えることになります。単純に23歳から63歳になるまで40年勤務した場合は、60歳から63歳になるまでの3年分の経過的加算額が増えることになります。もちろん、報酬比例部分については厚生年金の加入に応じ増え続けることになります。高卒の人と増え方は違っていても、実際の受給額を50代での定期便の見込額より多くすることができます。
年金の受給が近づいてきた際は現状の見込額だけでなく、今後の年金の増え方について確認しておくとよいでしょう。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
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