「『ねんきん定期便』の金額は間違いなんじゃないか」

隆弘さんは「ねんきん定期便」も眺めつつ、将来の年金のために情報の収集をしていましたが、年金制度がとても複雑に感じ、その情報も多すぎて整理できずにいました。「やっぱり素人には難しい仕組みのようだよなぁ。自分で調べるだけでは限界を感じる」と思います。そこで、自身の年金について一度詳しい話を聞きたいと考え、年金事務所に行ってみることにしました。

年金相談の予約をして、初めて年金事務所を訪れた隆弘さん。普段来ない場所に来たため不安と緊張も感じながらも、その窓口で早速職員に質問をします。

「自分は高校卒業後入社し、勤続40年。厚生年金の保険料も40年間払ってきています。40年間保険料を払うと年金は満額になると聞きました。ということは、40年を超えて払っても、将来受け取る年金の受給額は増えず、これから先の保険料は払い損になるのでしょうか」

「ねんきん定期便の老齢基礎年金の見込額は、どうもネットで調べた満額と同じようです。老齢厚生年金も含めると、本当にこの230万円という金額が合計額なのでしょうか? それとも、実際はそんなことはなく、今後も保険料を払い続けることでもらえる年金額が増やせるのでしょうか?」

少し混乱気味になりながら、疑問を次々に投げかける隆弘さん。これらの疑問に対し、窓口の職員は、隆弘さんの場合の年金額の計算方法や今後の年金の増え方について丁寧に回答していくのでした。

●果たして隆弘さんの場合、どのように年金が計算されるのでしょうか? 後編【高卒と大卒で「ねんきん定期便」の読み方は変わる…「年金満額受給」でも信じてはならない理由】では、「ねんきん定期便」に表示された額からさらに年金額を増やす方法も含め、解説します。

※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。

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