年代別の元本割れ経験は?

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から「元本割れの経験」について年代別の回答をまずは単身世帯から見ていこう。

■元本割れの経験(年代別・単身世帯)

元本割れの経験(年代別・単身世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数2500)よりFinasee編集部作成
 

20代単身世帯で元本割れの経験があると回答した人は17.7%と2割未満にとどまっている。全年代で最も低いその一因としては、投資年数が短いことが挙げられそうだ。

30代では26.1%に上昇し、約4人に1人となった。これは全国の単身世帯平均(32.4%)と比較すると6.3ポイント低い。40代になると32.7%と、さらに増加して約3人に1人となり、平均とほぼ同水準となる。

50代は30.6%と若干下がるが、以降は60代(39.4%)、70代(47.4%)と年代が上がるにつれて高まり、70代が全年代で最も高い水準となった。老後に向けた資産形成を行う過程で、元本割れも一通り経験してきた人が多いのかもしれない。

元本割れをどう受け止めた?

次に元本割れしたときの受け止め方について単身世帯の傾向を見ていこう。

■元本割れ経験の受け止め方(年代別・単身世帯)

元本割れ経験の受け止め方(年代別・単身世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数810)よりFinasee編集部作成
 

どの年代でも最も多かったのは「自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない」という回答だ。単身世帯の平均(全年代)は70.9%となっている。次いで「自分が元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない」(同平均18.6%)。元本割れを経験した人は、相場動向あるいは投資知識のいずれも自己責任の結果と判断していることがうかがえる。

損失をどう受け止めたかについては世代による特徴が見られる。相場についての予想が外れたので仕方がないとの答えは30代、40代、60代で平均より高い。市場の変動によるものとして割り切っている傾向にありそうだ。

一方20代は、元本割れのリスクをよく理解していなかったので仕方がないとの回答が全世代で最も高く、知識不足を自覚する人が平均を上回った。若い層は投資初心者として自身の準備不足を顧みる傾向が強く、高年齢層は市場の変動を受け入れるベテラン的な感覚で受け止めている人が多いようだ。