6月はインベスコ世界厳選株式オープン(毎月決算型)への資金流入が継続

公募株式投信(ETF除く)の資金流入額は、海外株式型への継続的な資金流入や国内株式型への資金流入により、4851億円となり、2ヵ月ぶりに増加した。

純資産合計は、資金流入額が過去最高の5兆1384億円となったことなどから、前月比5兆4224億円増加の98兆9259億円となり、5カ月連続で過去最高を更新した。

そして、資金流入額が最も多かったのは、「インベスコ世界厳選株式オープン(毎月決算型)」だった。同ファンドは、株式投資の王道である「成長+配当+割安」を追求して世界のベスト銘柄を厳選。毎月決算型で20年以上の実績を持つ唯一の世界株式ファンドである。

高い実績から2023年になって資金流入が急増し、5月中旬に純資産残高が5000億円を突破。6月も約867億円の資金流入があり、純資産残高は6000億円を超えている。

「世界のベスト」シリーズは毎月分配型だけでなく、年1回決算型もある。分配金をださずに運用しており、複利で長期的に高いリターンが期待できるので、来年から始まる新しいNISAにおすすめだ。

■インベスコ世界厳選株式オープン(毎月決算型)
基準価額 9182円
信託報酬 1.903%(年率・税込)
純資産残高 6415.07億円

<騰落率>
1カ月  7.09%
3カ月 13.05%
6カ月 23.45%
1年     28.00%

※6月末時点

「(早期償還条項付き)リオープン・ジャパン2301」が繰上償還に

 

資金流出額1位は、「(早期償還条項付き)リオープン・ジャパン2301」だった。同ファンドは外需関連企業や訪日外国人によるインバウンド消費に関連する国内企業の株式に投資するアクティブファンドである。

基準価額が1万2000円以上になった場合には、円建ての短期公社債に投資を行い、安定運用に切り替える。6月の国内株式市場はTOPIXが月間で7.41%上昇。同ファンドの基準価額も7.38%上昇した。

そして、6月16日に基準価額が1万2000円以上となったので、保有株式をすべて売却し、安定運用に切り替えた。今後は円建ての短期公社債に投資を行い安定運用となるが、7月24日に繰上償還となる。

同ファンドは1月25日に新規設定されたので、約6カ月という短期間での償還となった。野村證券1社で販売され、当初設定額は1047億円と、2023年に新規設定した国内公募投資信託(ETF除く)で最大だった。約5年間の運用を予定していたが、国内株式市場の上昇により異例のスピードで償還となったのである。

「(早期償還条項付き)リオープン・ジャパン2301」は、野村證券が単独で販売した。募集期間中のみ販売される単位型の商品で、基準価額が1万2000円に達した時点で償還を迎えるという短期的なタイミングを重視した商品であり、「長期的な資産形成のツール」としてのファンドを期待する時流とは相容れない。

しかし、「投資での成功体験を個人投資家に与える」という意味では有効な商品との見方もある。同ファンドの大規模設定には、野村グループの商品に対する自信と日本株に対する見通しの強さが表れていたといえるだろう。