finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

前金融庁企画市場局長の油布氏が日証協常任理事に、「治療終盤」の日比野会長は続投へ

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2026.05.28
会員限定
前金融庁企画市場局長の油布氏が日証協常任理事に、「治療終盤」の日比野会長は続投へ

日本証券業協会は5月27日の理事会で7月にスタートする新役員体制案を取りまとめました。療養中の日比野隆司会長は続投。11年間にわたり常任理事を務めた岳野万里夫副会長は退任し、後任に前金融庁企画市場局長の油布志行氏が就任します。新任の役員候補には、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の創設に携わったキーパーソンらが名を連ねました。

 

理事会後に開かれた記者会見で、岳野副会長は、初期がんの治療のため療養中の日比野会長の病状に言及。「足元、根治に向けた治療は終盤に入ってきており、治療は順調に進んでいると伺っている。新事務年度の最初の記者会見に出席できるよう回復に努めるとのメッセージをお預かりしている」と説明しました。

 

新役員体制案では、常任監事としてJ-FLECの島村昌征・教育企画部長を新任。島村氏は元日証協常務執行役で、岳野氏は「立ち上げの際に協会側の代表としてチームを連れて2年間、J-FLECで頑張ってきた」と評価しています。

大半の役員は再任となり、一部新任のメンバーも基本的に業界内のローテーション通りの動きにとどまる見通しです。

ただ、金融・証券教育支援委員会公益委員に就く日本IBM特別顧問の高口博英氏(元日本銀行理事)については、委員の席自体を規定の限度枠内で増やして新任する形です。岳野副会長は「元日銀理事として、J-FLEC創設時の取りまとめに大変活躍された方。J-FLECを応援する立場で議論に参加いただこうと、定数に空きがあったので、どなたかの交代ではなく、純粋に1人追加という形での新任となった」と説明しました。

 

岳野副会長は自身の退任にあたり「副会長として会長を支え、職員の皆さんと一緒に協会のミッションである証券業の健全な発展と投資者保護に向けて一生懸命、職責を果たすよう努力してきた」と述懐。後任に対しては、「引き続き証券業協会あるいは証券業の果たす役割、最終的には国民経済の健全な発展と投資者保護の目的に向けて、持ち場持ち場でそれぞれのミッションを果たして頑張っていただきたい。松尾副会長と連携して、日比野会長を支えていってほしい」とエールを送りました。

 

"銀証の壁"更なる緩和は「慎重な対応が必要では」

岸田文雄元首相が率いる資産運用立国議員連盟は今月取りまとめた提言に、「銀証ファイアーウォール規制等の見直し」を盛り込んでいました。協会としてのスタンスを問われた松尾元信副会長は、資産運用立国議連の提言が適切な顧客情報管理や不適切行為に対する厳格なペナルティーを前提としている点を強調。その上で、次のように述べました。

「少し前の大手金融グループに対する処分事例では、顧客の意向に反してグループ会社間で顧客の非公開情報が授受された事案がベースになっているという面もある。欧米では不正行為に対して強い経営責任の追及、極めて重い金銭的制裁など、厳格な罰則が科されるなどの面もある。こうした点も踏まえて慎重に対応していく必要があるのではないか」

「銀証ファイアーウォール規制については2022年に抜本的に緩和され、大企業についてはオプトアウトしない限り、グループ内での情報共有が原則として自由化されていることを議論の前提として確認しておく必要があるのではないか」

 

また、政府は米アンソロピック社が開発した新型AI「ミュトス」を悪用したサイバー攻撃に対処するための作業部会を5月に設置。日証協や全国銀行協会など主要業界団体が参画しています。松尾副会長は「従来は脆弱性が発見されても攻撃が実際に行われるまでのリードタイムがある程度あったが、そうした時間的猶予が非常に短くなることで、これまでのような予防策や改善策がどこまで有効かが問題になってくる」と指摘。「証券を含めた金融システムは経済活動を支える重要な社会インフラであり、作業部会の議論に参画しながら会員と一体となって危険性に対処していきたい。情報を迅速に共有する。改善策が色々なところから出ることになるので、迅速にそれを検証しながら採用していくところもポイントになる」と述べました。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #日証協

おすすめの記事

「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

文月つむぎ

【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは

佐々木 城夛

デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -

生井澤 浩

マネックス証券で「オルカン」「S&P500」から「日経225」「日経半導体株」へのシフトが強まる、約40年ぶりの「円安」も一因

finasee Pro 編集部

楽天証券の売れ筋は「国内株」に回帰、国内の「半導体関連株」はケタ違いの上昇率に

finasee Pro 編集部

著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
投信資金流入動向、オルカンとS&P500は2大巨頭だが…TOP10入りの中で注目したい4本の共通点とその理由
金融経済教育が定着しない本当の理由――後回しにされないための「行動に繋がる接触設計」を考える
騒動中の就活の末――損保ジャパン社長が396人の新入社員に語ったこと
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
立教大学教授 三谷進氏に聞く―約100年の歴史を誇る米国の投信市場から、日本の投信市場が学び、超えていくべきポイントは何か
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
高市色強まる資産運用立国政策、成長戦略会議内でアセットオーナーに積極的リスクテイクを求める声
販売担当者の本音に迫る!「今」「将来」の投信資産クラス調査
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
マネックス証券で「オルカン」「S&P500」から「日経225」「日経半導体株」へのシフトが強まる、約40年ぶりの「円安」も一因
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
投信資金流入動向、オルカンとS&P500は2大巨頭だが…TOP10入りの中で注目したい4本の共通点とその理由
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
楽天証券の売れ筋は「国内株」に回帰、国内の「半導体関連株」はケタ違いの上昇率に
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら