finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

投信資金流入動向、オルカンとS&P500は2大巨頭だが…TOP10入りの中で注目したい4本の共通点とその理由

Finasee編集部
Finasee編集部
2026.07.08
会員限定
投信資金流入動向、オルカンとS&P500は2大巨頭だが…TOP10入りの中で注目したい4本の共通点とその理由

ポッドキャスト番組「投信フリーク」第2回はファンドアナリストの篠田尚子氏と海老澤 界氏が、2026年5月の投信動向を読み解きました。米国主要3指数もTOPIXや日経平均株価も最高値更新に沸いた5月から、トレンドや今後の注目ポイントをお二人はどう読み解くのか――。

投信フリーク「#2最高値更新に沸いた5月―資金流入額TOP10の“とがった4本”とは」から、資金流入や純資産残高についてお二人がお話しした序盤の部分を再編集のうえ、お届けします(収録は6月12日)。

資金流入から見える「投資家心理」と、純資産残高に潜む「懸念点」

序盤は2026年5月の資金流入データがトピックになりました。

ETF(上場投資信託)を除いた公募投資信託の資金流入額ランキングでは、1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおなじみの2大巨頭として君臨しています。

しかし、5月の月間流入額を見ると、オルカンが約3400億円であるのに対し、S&P500は約1700億円。実に倍近い差をつけてオルカンにお金が集まっています。この傾向について、篠田氏は投資家心理を次のように読み解きました。

「やっぱり『最初の一本』としてオルカンは本当に定着していますよね。米国株が好調だった時は、S&P500あるいはNASDAQの2強だったと思うんですけど、特に昨年(2025年)くらいから日本株が少し盛り返してきたことで、『米株だけじゃなくて全世界を広く捉えておいた方がいいのかな』というふうに、投資家のマインドが変化しているのだと思います」(篠田氏)

一方、純資産残高に目を移すと、5月末時点でついにeMAXIS SlimのオルカンとS&P500は、前人未踏の12兆円を突破。海老澤氏が「もう異次元な感じになってきましたよね」と表現する通り、日本の投資信託の歴史を塗り替える規模に達しています。

また、いわゆる「1兆円ファンド」で見ても、5月末時点でETFを除いて20本ある事実を指摘しながら、海老澤氏はその「リスクの偏り」に警鐘を鳴らします。

「ただ気になるのが、(純資産残高の)上位に並ぶのが外国株のファンドばかりだという点です。これは為替のリスクもありますし、株の変動リスクもかなり負っていることになります。ここ数年は円安が進んで株も調子良かったので今はいいのですが、本当は資産分散の意識をもう少し持ってもいいのかなと思います」(海老澤氏)

本来の「資産分散」という観点からは、やや視野が狭くなっているのではないかという懸念に対し、篠田氏も同意を示します。

「(資金流入額の)トップ10とまではいかなくても、20〜30位以内くらいには、eMAXIS SlimのTOPIXといった日本株インデックスや、アクティブファンドでもノムラ・ジャパン・オープンなどが入ってきてはいるんです。ただ、やっぱり(オルカンらとの)インパクトの差としては、まだまだ小さいという感じはしますよね」(篠田氏)

資金流入TOP10を販売会社という視点で見ると、浮かび上がる「対面証券の影響力」

流入額ランキングの中で海老澤氏が「興味深い」としたのが、トップ10に入った4本の投資信託です。

具体的には、SBI証券や大和証券などが扱う「モルガン・スタンレー・フィジカルAI株式ファンド」が流入4位にランクインしているほか、SMBC日興証券が販売する「成長戦略フォーカス・ジャパン」(7位)や「ベイリー・ギフォード世界成長企業戦略/SMT.LN外国投資証券ファンド」(8位)、さらには野村證券の販売する「ノムラ・エマージング・オープン」(9位)などがTOP10内に名を連ねています。

これら4本の共通点は、大手の対面販売会社が扱っている点にあります。

「いわゆる対面の販売会社が売って、投資信託のトレンドを作って、それがネットに降りくるっていう流れがあったと思うんですね。(一方で)最近の流れは、ネットだけでも例えばSNSとかで人気に火がついて、じわーって広がっていくっていうのも実際あったのですが、先祖返りしたわけではないんですけれども……(まるで先祖返りともいえるよう)」(海老澤氏)と指摘するように、足元のデータは対面販売チャネルの存在感が健在であることも示した結果となりました。

海老澤氏が「(先祖返りしたわけではないが)ネット証券の人間から見ても、非常に商品設計が上手い」と唸ると、篠田氏はその背景にある高いマーケティング力と、対面だからこそ成立するアクティブファンドの強みを次のように解説しました。

「大手の販売会社向けに設定されたファンドは、『ありそうでない』という絶妙なところを上手く捉える傾向があるので、ある種マーケティングの要素も大きいと思うんですよね。フィジカルAIもそうですし、一種のとがったテーマ型なわけですけれども、早め早めにそうしたテーマを押さえるという観点もあります。先ほどのベイリー・ギフォード世界成長企業戦略は、SpaceXなどを組み入れている、ということで注目を集め、一時期販売停止になりましたよね。それほどまでに人気を集めたわけですが、これもやはり、こうしたエッジを効かせた運用戦略や、フタを開けたらかなりエッジが効いているという『アクティブだからこそできること』の現れだと思います。そして何より、そうした対面チャネルで、しっかり投資家の方や、これから投資家になりうる方々に直接(営業員が)コンセプトをご案内できるからこそ、これだけの規模で組成できるファンドなのかなと思いますね」(篠田氏)

***

このほかにも#2では、「お二人のペット事情…からのペット分野にできる投信”ぽちたま”」や「株だけではなく、金利性資産への分散」「金価格の現状をどう見る?」などついての議論が、篠田・海老澤両氏の軽快なトークとともに繰り広げられています。

ぜひ全編通してお聴きください。

 

篠田 尚子氏(楽天証券客員研究員 ファンドアナリスト)

 

日本には数少ないファンドアナリストとして、評価分析業務の他、資産形成セミナーの講師も務めるなど投資教育にも積極的に取り組む。

 

海老澤 界氏(松井証券 シニアファンドアナリスト)

 

長年、投資信託について運用、販売、マーケティングなど多面的にウォッチ。投信アワードの企画・選定にもかかわる。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
1
前の記事
日本の金融競争力を左右する「プライベート市場のデータ基盤高度化」―課題と現在地
2026.06.15
次の記事
ネクストブレイクの予感? 「モメンタムファンド」とは。なぜいま注目度が上昇しているのか
2026.07.16

おすすめの記事

三菱UFJ銀行で「日経225」人気が継続するものの「S&P500」はランク外寸前、大幅下落の「日経半導体株」は?

finasee Pro 編集部

金融庁のバージョンアップ宣言に見る‟攻め”と‟守り”のレトリック

川辺 和将

三井住友銀行で一番人気の「日経225」は株安局面でも人気継続、「ゴールド」も復調気配

finasee Pro 編集部

販売現場の不祥事を誰が止めるのか――保険代理店・IFAの監督に必要な「多層管理」

文月つむぎ

野村證券で「半導体」や「宇宙」などがランクダウン、安定資金流入の「のむラップ・ファンド」の上昇目立つ

finasee Pro 編集部

著者情報

Finasee編集部
ふぃなしーへんしゅうぶ
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
三菱UFJ銀行で「日経225」人気が継続するものの「S&P500」はランク外寸前、大幅下落の「日経半導体株」は?
三井住友銀行で一番人気の「日経225」は株安局面でも人気継続、「ゴールド」も復調気配
金融庁のバージョンアップ宣言に見る‟攻め”と‟守り”のレトリック
販売現場の不祥事を誰が止めるのか――保険代理店・IFAの監督に必要な「多層管理」
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
マネックス証券で「日経半導体株」が大きくランクダウン、「オルカン」「WCM」「世界のベスト」を再評価
野村證券で「半導体」や「宇宙」などがランクダウン、安定資金流入の「のむラップ・ファンド」の上昇目立つ
「口座を開く」から「資産形成が根づく」へ――日証協の調査が示す国民皆資産形成への次の一手
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
上位ファンドで「オルカン」への集中度が高まる、国内株に強気=2026年7純流入額トップ20
野村證券で「半導体」や「宇宙」などがランクダウン、安定資金流入の「のむラップ・ファンド」の上昇目立つ
上位ファンドで「オルカン」への集中度が高まる、国内株に強気=2026年7純流入額トップ20
SBI証券の売れ筋は「S&P500」や「NASDAQ100」が復調、国内株では「日経225」が衰えて「TOPIX」が好調
国内株式のアクティブ「大型」に純流入急拡大、アクティブ「米国株式」は11カ月連続で純流出=26年7月投信概況(アクティブ・パッシブ)
三井住友銀行で一番人気の「日経225」は株安局面でも人気継続、「ゴールド」も復調気配
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

AI集中相場の先に何が待つ? MFSインベストメント・マネジメントマロニーCEOに聞くアクティブ運用の“復権”と債券・日本株の投資機会
「口座を開く」から「資産形成が根づく」へ――日証協の調査が示す国民皆資産形成への次の一手
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
「売る」から「支え続ける」へ――「プログレスレポート2026」が示す資産運用サービス改革の現在地
顧客本位と投信ビジネスの成長を両立させるアクティブファンド活用論
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
広島銀行の売れ筋で「ポラリス」と「世界経済インデックス」が逆転、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」
「事業者支援で銀行は儲かるのか?」に対する答えは……新プログレスレポートに見る金融庁の“経産省化現象”
「支店長! お客さまとの雑談が大切とおっしゃいますが、何を話していいかわかりません。時間もありません!」
マネックス証券で「日経半導体株」が大きくランクダウン、「オルカン」「WCM」「世界のベスト」を再評価
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら