finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

アセットマネジメントOne杉原規之社長に聞く(前編)
波乱相場で磨かれる「対話力」 日銀×市場、運用会社×販売会社×個人投資家

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2024.09.03
会員限定
アセットマネジメントOne杉原規之社長に聞く(前編)<br />波乱相場で磨かれる「対話力」 日銀×市場、運用会社×販売会社×個人投資家

8月の日本株は記録的な乱高下の1カ月となった。相場急変の引き金となった日銀の追加利上げをめぐっては、さらなる年内の実施も取り沙汰される。アセットマネジメントOne杉原規之社長に、日本株市場の現状と見通しについて聞いた。

――日経平均株価は7月に最高値を更新したものの、8月には一転して歴史的な急落に見舞われるやいなや、今度は急反発して株価が持ち直しつつあります。この背景をどのようにご覧になりますか。

日本株急落の要因は2段階に分けられます。はじめに、日銀が7月31日に政策金利を0.25%程度へ引き上げると決定した影響です。市場関係者の間では追加利上げが9月になるとの見方が強かったことから、前倒しで7月末というタイミングがサプライズとなりました。植田和男総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、日本の経済・物価が見通しにおおむね沿って推移しており、順調であれば引き続き政策金利を引き上げると述べました。この発言も日米金利差の縮小による円高と輸出企業の収益悪化を連想させ、日本株の下落に拍車をかけました。

2つ目の要因は、8月2日に発表された米雇用統計の内容が市場の想定を大きく下回り、米国経済が本格的な後退に入るのではないかとの不安が市場で増幅したことです。とはいえ、雇用統計は後から修正が入る場合が多く、やや信頼性に欠ける面があります。確かに7月の雇用統計の数値は好ましくなかったものの、その後に発表されたCPIなどの結果によって実体経済の堅調さが確認されました。

日本株の急落を主導した主体はCTAのような短期筋でした。その一方で、年金や金融機関といったロングの投資家や、あるいは海外の政府系ファンドはほとんど日本株を売却しておらず、むしろ時価が下がったところで買いを入れてポジション調整しており、日本株が適正な水準に落ち着く要因になったとみています。

今回の急落をリーマン・ショックになぞらえる向きも見受けられましたが、ボラティリティと流動性という観点から評価すれば、リーマン・ショックとは大きく異なります。リーマン・ショックの当時はリスク性資産を保有していること自体が危険であるとの認識が広がり、ポートフォリオの現金比率が急速に高まりました。今般はそのような事態は全く起きていません。それからボラティリティに関しても、VIX指数などが一時的に跳ね上がったものの、ほぼ元の水準に戻っています。

――今後の利上げシナリオをどのように展望しますか。

秋には衆院選が見込まれますので、次の利上げは12月か、来年1月ごろとみています。そして翌2025年度に2回ほど利上げして、中立金利とされる1%の水準に近づけていくと推測します。

日銀と市場のコミュニケーションはさらに難しくなっていくでしょう。植田総裁はマーケットへの目配りに力点を置いていると見受けられます。8月の日本株急落の直後に内田真一副総裁が市場を落ち着かせるようなコメントを出しましたが、今後はより重層的な対話が求められていくでしょう。

――今回の相場急落で個人投資家はどのように行動しましたか。

今回の急落局面で、当社が提供しているDC関連商品の残高が大きく減少しました。DCプランで外国株ファンドに投資している顧客を中心に、株価の急落に慌ててDC商品を売却する動きが目立ちました。

株式は安値のときに買って値上がり益を狙うのが基本ですので、急落で損を確定するのは長期投資の観点では得策ではありません。そういう意味では、新NISAがスタートしてから半年あまりで株価の急落と急回復を経験したことは、投資を始めたばかりの方にとっても良好なレッスンになったのではと前向きにとらえています。

相場の変調を受け、SNSなどでは新NISAに対する様々な情報や認識が流布しています。改めて正しい情報を伝える必要性を痛感します。運用会社である当社としても、日本株が急落した翌日の8月6日に、販売会社向けZoom説明会を臨時で開催したところ、参加希望者が1000名を超えました。当社の投信営業本部が主催し、当社エコノミストがマーケットの状況を解説しました。今後も販売会社やその先の個人投資家に必要な信頼性のある情報をスピーディに提供していきます。

――日経平均株価は7月に最高値を更新したものの、8月には一転して歴史的な急落に見舞われるやいなや、今度は急反発して株価が持ち直しつつあります。この背景をどのようにご覧になりますか。

日本株急落の要因は2段階に分けられます。はじめに、日銀が7月31日に政策金利を0.25%程度へ引き上げると決定した影響です。市場関係者の間では追加利上げが9月になるとの見方が強かったことから、前倒しで7月末というタイミングがサプライズとなりました。植田和男総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、日本の経済・物価が見通しにおおむね沿って推移しており、順調であれば引き続き政策金利を引き上げると述べました。この発言も日米金利差の縮小による円高と輸出企業の収益悪化を連想させ、日本株の下落に拍車をかけました。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #マーケット情報
  • #NISA
  • #金融リテラシー

おすすめの記事

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
③日本の金融リテラシー向上へ、将来の資産運用を支える人材を育てる

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
②DX・企業価値・サステナ・オルタナの4分野で日本を動かす

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

finasee Pro 編集部

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

10億円以上の資産家が多いのは山口県、北陸ではNISA活用が進む。県民性から読み解く日本人の投資性向とは?

Finasee編集部

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
多様な投資対象が「世界株式」への資金流入を促す、「国内株式」で際立つ強さの「半導体株」=資金流入額上位20ファンド
SBI証券で人気株式ファンドに変化、「半導体株」から「大型ハイテク株」に移った理由は?
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
SMBC日興証券で人気沸騰の「クロスオーバー・グロース」が新規募集停止、新たな成長期待は「半導体革命」や「成長戦略フォーカス」に
マン・グループの洞察シリーズ⑲
AI投資ブーム:いずれ調整を余儀なくされる
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「支店長! 正直なところ顧客本位と顧客満足の違いが分かりません」
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

野村證券で「S&P500」人気が後退、「日経225」「グロース・オポチュニティ」「情報エレクトロニク」「宇宙」がランクアップ
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
SMBC日興証券で人気沸騰の「クロスオーバー・グロース」が新規募集停止、新たな成長期待は「半導体革命」や「成長戦略フォーカス」に
マン・グループの洞察シリーズ⑲
AI投資ブーム:いずれ調整を余儀なくされる
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
野村證券で「S&P500」人気が後退、「日経225」「グロース・オポチュニティ」「情報エレクトロニク」「宇宙」がランクアップ
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
多様な投資対象が「世界株式」への資金流入を促す、「国内株式」で際立つ強さの「半導体株」=資金流入額上位20ファンド
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
速さを支える足場の築き方とは――moomoo証券の行政処分から考える「顧客本位」の土台
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
政府が「地域金融力強化プラン」をブレークダウンした都道府県別“新プラン”を策定へ
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら