調査対象はネット含む大手10社
今回の日証協による調査では、大手10社(うちネット5社)を対象としたヒアリングをもとに実態を概算。2月の口座開設件数は約53万件で、昨年の1~3月の月平均約18万件から約2.9倍に増加しました。
日証協担当幹部は、1月のの口座開設件数が推計で70万件程度だったと説明したうえで、「新しいNISAがスタートした1月にものすごく口座が開かれて2月にぐっと減るということではなく、2月も口座開設が多数行われている」と話しました。
1~2月の買付額(月平均)をみると、成長投資枠は1.5兆円で、前年同期月平均(旧一般NISA枠)の3.3倍に。つみたて投資枠は2700億円で、同(旧つみたてNISA枠)3倍に、それぞれ膨らんでいます。
買付額のうち、85%が成長投資枠の取引でした。また、NISA買付額全体のうち国内株が46%を占め、日証協は「制度趣旨である『成長資金の供給』の役割も担っている」との認識を示しています。投信は買付額全体の50%を占めました。
買付額上位10銘柄(個別名は非公表)をみると、成長投資枠の投資信託はインデックス8銘柄、アクティブ2銘柄がランクイン。投資対象は海外7銘柄、国内外2銘柄、国内1銘柄という内訳になっています。つみたて枠は10銘柄全てがインデックス型で、海外が7銘柄、内外が3銘柄。国内のランクインはゼロでした。
成長投資枠の株式では配当利回りの高い大型株が選好される傾向がみられ、情報通信、銀行、医薬品などが上位に入りました。
ETFを除く公募投信の設定額に占める買付額の割合(1~2ヶ月の月平均)は旧制度開始以来、1割未満にとどまっていましたが、足元では2割に迫る勢いで拡大しています。