finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

緊急リモート座談会:福岡銀行×横浜銀行×中国銀行
新NISAをきっかけにした「粘着性の高い取引」で
ビジネス拡大の可能性を広げていく

ついに始動! 新NISA リテールビジネスの次の時代をどう切り拓くか?

Ma-Do編集部
Ma-Do編集部
2024.03.06
会員限定
緊急リモート座談会:福岡銀行×横浜銀行×中国銀行<br />新NISAをきっかけにした「粘着性の高い取引」で<br />ビジネス拡大の可能性を広げていく

いよいよ新NISAが始まり、「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」の流れも加速しつつある。テレビCMやキャンペーンなど、各金融機関の口座獲得への取り組みも目立つようになってきた。そこで、地方銀行の預かり資産ビジネスをリードしてきた3行のキーパーソンによる緊急リモート座談会を実施し、これまでの取り組みや足元の状況を伺うとともに、今後の戦略や将来のビジネスの在り方についても語ってもらった。
司会・文/想研シニアエディター 菊地敏明

――まずは2014年のNISAのスタート以降、その推進に積極的に取り組み、口座数でも地方銀行のトップを走ってきた福岡銀行の古澤さんから足元の状況を伺えますか。

 
福岡銀行 営業統括部 部長 古澤哲平氏
 

古澤 NISAの推進・普及においてはグループのFFG証券との連携をかなり意識しています。新NISAのスタートに際し、昨年5月以降に銀証でつみたてNISA商品を拡充・統一、株式売買手数料の引き下げや提案ツールの整備などを進めてきました。

投資信託による裾野拡大も引き続き重視していますが、新NISAでは個別株式での運用意向も増えてくると予想しています。そのため、銀行本体でも仲介スキームを使って証券総合口座開設の受付をスムーズにできるようにし、併せて口座開設からNISAの申し込み、商品の購入受付まで非対面で完結する仕組みを銀証双方で整えました。また、FFG証券では株式のスマホ売買アプリなども導入し、お客さまの利便性向上につなげています。

テレビCMなどのプロモーションやキャンペーンを銀証で連携している効果もあり、NISA口座の新規開設数は順調に伸びています。一方で昨年10月から昨年末までは金融機関の変更も多く、当社グループでNISAをご利用いただくメリットを訴求するなどの対応を行ってきました。1月に入ると流出も減少し、新規開設による増加件数が順調に伸びています。

NISA国座の獲得は順調な一方
金融機関変更による流出が課題

――続いて、横浜銀行の池野さんはどうでしょう。

 

    横浜銀行 営業戦略部 運用商品推進企画グループ グループ長 池野裕昭氏

池野 当行の場合、もともと従来のNISAについては対面ではなく、非対面チャネルを中心に、特に「つみたてNISA」に注力して推進してきた経緯があります。その主な狙いは資産形成層の開拓で、デジタル分野の強化を継続的に図ってきました。

しかし、新NISAのスタートを見据え、2023年度に入ってからは非対面だけでなく、営業店でも積極的に口座獲得を進める方針に転換しています。そのバックアップの意味もあり、キャッシュバックなどのキャンペーンも恒常的に実施してきました。結果として、今年度のNISA口座開設数は前年度との比較でほぼ2倍となっている状況です。

一方で、福岡銀行さんと同様に、10月以降は金融機関の変更による流出が課題になってきました。月によっては新規口座開設数とほぼ同数の流出があったため、その対策として、銀行でNISA口座を保有する利点を訴求するツールなども作成しました。そこで強調しているのはやはりコンサルティングで、資産運用だけではなく、保険や住宅ローン、外部専門家のご紹介といった多様な商品、サービスを活用しながらライフプランについても相談できる点などもメリットとして掲げています。さらには、NISA口座を保有しているだけで預金金利が上乗せになるキャンペーンをこの1月から追加し、これらを新規獲得と離脱防止の両面で活用しているところです。

――多くの地方銀行が、金融機関の変更による新NISA口座の流出に悩んでいるようですね。やはりネット証券に流れているケースが多いのでしょうか。

池野 そうだと思います。特に当行では従来のNISAを非対面中心に推進してきたため、いわば「粘着性の高い取引」ができていなくて、ネット証券に流れやすい面があったのかもしれません。だからこそ、先ほどの銀行のメリットについても、対面でのコンサルティングを強調しているわけです。

――続いて中国銀行の八杉さん、御行でも同じような状況ですか。

 

    中国銀行 営業統括部 上席スペシャリスト 八杉哲史氏

 

八杉 実は当行の場合、状況が少し異なっていて、昨年10月から12月のNISA口座の流出数が月間100件前後と、おそらく他行さんに比べてかなり少ない数字なのではないでしょうか。それに対して新規口座の開設数は、同じく10月から12月で月間2200件程度と比較的順調に推移しています。2023年3月に5万8000だったNISA口座数はそれまでの9年をかけて達成したものでしたが、それをグループ証券と合わせて2027年3月までに15万にするという相当チャレンジングなKPIをかかげていることもあり、営業店の意識も変わってきました。来店されたお客さまに改めてお声掛けすることで、ハイカウンターからのトスアップが口座開設へとつながるケースなども思った以上に増えてきています。

――まずは2014年のNISAのスタート以降、その推進に積極的に取り組み、口座数でも地方銀行のトップを走ってきた福岡銀行の古澤さんから足元の状況を伺えますか。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
次のページ 1月の投信販売額は軒並み増加
1 2

関連キーワード

  • #NISA
  • #地銀

おすすめの記事

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

10億円以上の資産家が多いのは山口県、北陸ではNISA活用が進む。県民性から読み解く日本人の投資性向とは?

Finasee編集部

「オルカン」「S&P500」を追う2強海外アクティブ投信。なぜ? みんなが買う理由がわかった!

Finasee編集部

三井住友銀行の売れ筋で順位を上げるファンドは安定重視、株式ファンドを圧倒するリターンを残すファンドとは?

finasee Pro 編集部

新プログレスレポートの気になるポイント3選……資産運用立国「ポンチ絵」はどう変わったか?

川辺 和将

個人投資家の力で日本企業を変える──
マネックス・アクティビスト・ファンド、設立5周年
松本大氏が魅力を語る

finasee Pro 編集部

国内株式型ファンドで過去3番目に大きな設定額を記録、野村アセットが設定した新ファンドの特徴とは? =25年6月新規設定ファンド

finasee Pro 編集部

みずほ銀行の売れ筋で強まる「バランス型」人気、株式ファンドをけん引する優れたパフォーマンスのファンドは?

finasee Pro 編集部

著者情報

Ma-Do編集部
ま・どぅへんしゅうぶ
「Ma-Do(Marketing-Do)」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けた専門誌です。「資産所得倍増プラン」の旗印のもと「貯蓄から資産形成」への機運が高まる昨今、金融機関の資産運用アドバイザーの役割はますます高まっているとともに、リテールのビジネスもさらなる発展が求められています。「Ma-Do」は、投資信託を資産運用のコアとしてアドバイスを行う銀行や証券会社、IFAなどと、運用会社や保険会社をつなぐコミュニティ・メディアとして、金融リテール・ビジネスの発展をサポートする情報を発信しています。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
新プログレスレポートの気になるポイント3選……資産運用立国「ポンチ絵」はどう変わったか?
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
③ 金融行政に本部が過剰反応?対面金融機関の役割とは
三井住友銀行の売れ筋で順位を上げるファンドは安定重視、株式ファンドを圧倒するリターンを残すファンドとは?
国内株式型ファンドで過去3番目に大きな設定額を記録、野村アセットが設定した新ファンドの特徴とは? =25年6月新規設定ファンド
個人投資家の力で日本企業を変える──
マネックス・アクティビスト・ファンド、設立5周年
松本大氏が魅力を語る
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
日本資産運用基盤の大原氏が思い描く「ETFホワイトレーベル」の先の未来とは?
松井証券の売れ筋にみる優れた世界厳選株式ファンドとは? ピクテと三菱UFJの「純金ファンド」の違いは?
新プログレスレポートと金融庁幹部人事の背景を読む、キーワードは「官邸の弱体化」と「尻に火が付いた暗号資産対策」
【オフ座談会vol.6:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
野村證券の売れ筋にみえる積極的なリスクテイク姿勢、売れ筋ランキングをかけ上がったファンドとは?
新プログレスレポートの気になるポイント3選……資産運用立国「ポンチ絵」はどう変わったか?
日本資産運用基盤の大原氏が思い描く「ETFホワイトレーベル」の先の未来とは?
野村證券の売れ筋にみえる積極的なリスクテイク姿勢、売れ筋ランキングをかけ上がったファンドとは?
大和証券の売れ筋トップ3でパフォーマンスが際立つファンドは? 
国内株式型ファンドで過去3番目に大きな設定額を記録、野村アセットが設定した新ファンドの特徴とは? =25年6月新規設定ファンド
【連載】投信ビジネスのあしたはどっちだ
アフターフォローはなぜ定着しないのか
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
③ 金融行政に本部が過剰反応?対面金融機関の役割とは
個人投資家の力で日本企業を変える──
マネックス・アクティビスト・ファンド、設立5周年
松本大氏が魅力を語る
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
松井証券の売れ筋にみる優れた世界厳選株式ファンドとは? ピクテと三菱UFJの「純金ファンド」の違いは?
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
新プログレスレポートと金融庁幹部人事の背景を読む、キーワードは「官邸の弱体化」と「尻に火が付いた暗号資産対策」
【オフ座談会vol.6:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
③ 金融行政に本部が過剰反応?対面金融機関の役割とは
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
② 投信窓販において収益性と顧客本位をどう両立させるか
新プログレスレポートの気になるポイント3選……資産運用立国「ポンチ絵」はどう変わったか?
【みさき透】金融庁はなぜ毎月分配型に「免罪符」を与える気になったのか
松井証券の売れ筋にみる優れた世界厳選株式ファンドとは? ピクテと三菱UFJの「純金ファンド」の違いは?
【連載】投信ビジネスのあしたはどっちだ
資産形成を達成した後…「次なる課題」
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら