finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

拡充後初の「NISAの日」に、金融庁長官と5大証券社長は何を語ったか

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2024.02.15
会員限定
拡充後初の「NISAの日」に、金融庁長官と5大証券社長は何を語ったか

2月13日、「NISAの日記念シンポジウム 人生100年時代の証券投資と資産形成を考える」(日本証券業協会、日本取引所グループ主催)が都内で開かれました。金融庁の栗田照久長官が基調講演し、制度の普及と啓発に向けた協力を事業者側に要望。パネルディスカッションでは5大証券の社長がそろい踏みし、新しいNISAの始動を資産形成の裾野拡大へと確実に結び付ける意義などについて意見を交わしました。

長官から金融機関へ要望 「顧客本位で販売後のフォローアップを」

金融庁の栗田長官は基調講演で、1月のNISA拡充の前後で利用者数が拡大傾向にある現状を踏まえ、「このように新たに資産形成に生み出す方々が増えている状況だからこそ今一度、国民の皆様が適切に制度をご活躍ご活用いただけるよう、官民連携して、わかりやすく丁寧に周知広報を行う必要がある」と語りました。

そのうえで、「金融機関の皆様におかれては、適切な顧客対応に取り組んでいただくことが必要であると考える。具体的には、利用者の方々が、資産形成に一歩を踏み出す前提として、利用者の皆様に次のことを理解していただくことが重要だ。まず利用者自身が、各々のライフプランやライフステージを踏まえ、どのような資金ニーズが発生するのか、それに対応してどのような資産形成が必要になるのかをよく考えていただくことだ」と説明しました。

そして、「長期積立分散投資の意義と同時に、投資には様々なリスクや元本割れの恐れもあるということ。資産形成に取り組むに当たっては、NISA以外の選択肢も含め、様々な方法や適切に組み合わせて活用することが重要である」と指摘。「金融機関の皆様におかれては、実際にNISA口座を用いた取引を行う利用者の方々に対し、顧客ニーズやリスク許容度の確認、提案・販売する商品の特性や注意点に関する丁寧な説明、販売後のフォローアップなど、利用者が安心して資産形成に取り組むことができるよう、顧客本位の業務運営に取り組むことが重要だと考える」と話しました。

金融経済教育推進機構については、「講義内容の一つとして、NISAを取り扱うが、資産形成の前提である家計管理やライフプランニングの重要性、長期積立分散投資の意義、iDeCo等のNISA以外の資産形成にする制度についてもしっかりと国民の皆さんにお伝えしていく予定だ」と説明しました。

5大証券社長陣が選んだ「今年の漢字」は?

パネルディスカッションでは、近藤雄一郎・SMBC日興証券代表取締役社長(CEO)、中田誠司・大和証券グループ本社代表執行役社長最高経営責任者(CEO)、奥田健太郎・野村ホールディングス取締役兼代表執行役社長グループCEO、浜本吉郎・みずほ証券代表取締役社長、小林真・三菱UFJモルガン・スタンレー証券取締役社長兼CEOがそろって登壇(記事登場は社名順)。それぞれが選んだ「今年の漢字」を披露し、資産形成の裾野拡大に向けた考えを述べました。

SMBC日興の近藤社長が選んだ一字は「換」。「足元、日本がデフレ経済からインフレへ転換し始め、株価も新高値をうかがう転換点を迎えるている。インフレになって金利も大きな転換点を迎えた。2024年の変化を転換点にして、日本がさらなる成長へ再度チャレンジしていくという意味をこめた」と述べました。

大和の中田社長が選んだ今年の一字は「昇」。「昨年来、まずは物価が上昇し、金利も上昇してますし、今後も上がるでしょう。おそらく賃金も上昇し、経済も上昇して、株価も上昇する。今年は辰年なのでまさに昇竜のごとく、上昇に、全員がうまく乗っかれるような、そういう年になればいいと思う」と語りました。

野村の奥田社長は「始」を選び、「初めての方も、一歩からでいいので(資産形成を)始めていただければ。また、今年はおそらく金利のある世界も再開する。その意味では今年は本当に始まるということがたくさんありそうな、ワクワクする年になるという意味で、始まるという字を選ばせていただいた」と述べました。

みずほの浜本社長は飛躍や跳躍の「躍」を一字を掲げ、「今年は辰年だが、まさに竜が天に昇るイメージ」と強調。「日本経済、株式市場がまさに今日(2月13日)の相場のように上っていくように、資産形成を支える経済・市場がしっかり継続的に昇っていくようにとの願いをこめた」と語りました。

三菱UFJモルスタの小林社長が選んだ今年の漢字は「伴」。「我々金融機関にとって、人と人、投資家と企業、日本と海外、現在と次世代を繋げる仕事が一つの大事な役割。つなぐためにはお客さま、ステークホルダーの皆さんをよく理解しなければいけないと思い、目標に向かってぜひ伴走していきたいなとの思いをこめた」と説明しました。

 

パネルディスカッションではこのほか、職域などで投資家一人一人に寄り添って伴走役を務める金融機関の役割の大きさにも話が及びました。NISA制度の拡充によってネット系チャネルの存在感がますます増大しているとの見方もあるなか、各社社長は対面チャネルの存在意義を改めて示したいとの思いを発言ににじませていました。

長官から金融機関へ要望 「顧客本位で販売後のフォローアップを」

金融庁の栗田長官は基調講演で、1月のNISA拡充の前後で利用者数が拡大傾向にある現状を踏まえ、「このように新たに資産形成に生み出す方々が増えている状況だからこそ今一度、国民の皆様が適切に制度をご活躍ご活用いただけるよう、官民連携して、わかりやすく丁寧に周知広報を行う必要がある」と語りました。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
1

関連キーワード

  • #金融庁
  • #証券

おすすめの記事

上位ファンドで「オルカン」への集中度が高まる、国内株に強気=2026年7純流入額トップ20

finasee Pro 編集部

AI集中相場の先に何が待つ? MFSインベストメント・マネジメントマロニーCEOに聞くアクティブ運用の“復権”と債券・日本株の投資機会

finasee Pro 編集部

国内株式のアクティブ「大型」に純流入急拡大、アクティブ「米国株式」は11カ月連続で純流出=26年7月投信概況(アクティブ・パッシブ)

finasee Pro 編集部

SBI証券の売れ筋は「S&P500」や「NASDAQ100」が復調、国内株では「日経225」が衰えて「TOPIX」が好調

finasee Pro 編集部

「口座を開く」から「資産形成が根づく」へ――日証協の調査が示す国民皆資産形成への次の一手

文月つむぎ

著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
上位ファンドで「オルカン」への集中度が高まる、国内株に強気=2026年7純流入額トップ20
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
「支店長! 私たちが投資信託を販売する目的は何ですか?」
インデックス投資から始めた顧客を「思考する投資家」へ導くために ――対面営業を主体とする投信販売会社・本部投信担当者に求められる視点――
【第2回】製販情報連携の枠組みと実務
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉞
変動の大きい市場環境の中、投信市場への資金流入は過去最高に
広島銀行の売れ筋で「ポラリス」と「世界経済インデックス」が逆転、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」
米国RIAが語るプライベート市場の進化と個人投資家への拡大【米国RIAの真実】──Midland Wealth Managementのエミル・スキ氏とジェイク・ステープルトン氏に聞く
「支店長! ノルマから解放されたいです!」
「口座を開く」から「資産形成が根づく」へ――日証協の調査が示す国民皆資産形成への次の一手
日経平均が下落しても「国内株式型」に約5564億円の資金流入、新設の「テック・リーダーズ」や「構造変化日本株」が大型化=26年7月投信概況
「口座を開く」から「資産形成が根づく」へ――日証協の調査が示す国民皆資産形成への次の一手
SBI証券の売れ筋は「S&P500」や「NASDAQ100」が復調、国内株では「日経225」が衰えて「TOPIX」が好調
上位ファンドで「オルカン」への集中度が高まる、国内株に強気=2026年7純流入額トップ20
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
国内株式のアクティブ「大型」に純流入急拡大、アクティブ「米国株式」は11カ月連続で純流出=26年7月投信概況(アクティブ・パッシブ)
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
顧客本位と投信ビジネスの成長を両立させるアクティブファンド活用論
AI集中相場の先に何が待つ? MFSインベストメント・マネジメントマロニーCEOに聞くアクティブ運用の“復権”と債券・日本株の投資機会
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
「支店長! お客さまとの雑談が大切とおっしゃいますが、何を話していいかわかりません。時間もありません!」
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
「売る」から「支え続ける」へ――「プログレスレポート2026」が示す資産運用サービス改革の現在地
顧客本位と投信ビジネスの成長を両立させるアクティブファンド活用論
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
広島銀行の売れ筋で「ポラリス」と「世界経済インデックス」が逆転、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」
「事業者支援で銀行は儲かるのか?」に対する答えは……新プログレスレポートに見る金融庁の“経産省化現象”
GPIFの国内投資を国富の拡大につなげるには――「金利のある世界」で問い直す年金運用
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら