政府は日銀の黒田東彦総裁の後任に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を充てる人事案を国会に提示した。2012年から17年まで審議委員を務めた木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストに、植田氏が抜てきされた背景や今後の金融政策の方向などについて聞いた。
――「ポスト黒田」は雨宮正佳副総裁が本命視されていました。雨宮氏が打診を辞退したという報道もあります。
真実はよく分かりませんが、雨宮氏が固辞した可能性は高いと思います。黒田体制のもとで異例の金融緩和を支えてきたことに対する、日銀OBからの強い反発があったことも想定されます。