投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、中国銀行。
中国銀行の投信売れ筋ランキング(窓口販売件数)の2026年9月のトップ3は、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」がトップをキープし、「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」がこれに続き、さらに、「One/フィデリティ・ブルーチップ・グロース株式ファンド(隔月決算・予想分配金提示型)」が前月第4位から順位を上げて第3位に食い込んだ。加えて、米国を除く先進国の割安・高配当株に投資する「GSグローバル(除く米国)割安高配当株式ファンド 年4回決算コース」がトップ10圏外から第7位にランクインした。外国株式ファンドの中でもスタイルの異なるファンドが並び立つ構図が鮮明になった。一方、国内株式ファンドでは「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」が第6位を維持し、トップ10圏外から第10位に「SMT 日本株式モメンタムファンド」がランクインした。
※中国銀行の投資信託販売件数ランキングの「窓口販売」(2026年9月)に基づいて編集部作成。
https://www.chugin.co.jp/single/account/toushin_ranking/
新興勢力「ブルーチップ」「割安高配当」がランクアップ
9月のマーケット環境は、「S&P500」が0.45%安と小幅に沈む一方、「NASDAQ総合」が1.86%高とグロース株中心に底堅さを示した。欧州株は英「FTSE100」が2.02%安、独「DAX」が4.03%安と軟調で、地域間の明暗が分かれた月だった。こうした地合いの中で、「世界のベスト」(設定はインベスコ・アセット・マネジメント)と「WCM 世界成長株厳選ファンド」(朝日ライフ アセットマネジメント)という「成長株の王道」を軸とするファンドがトップ2を固めたことは、調整局面でも世界の大型株の成長性を信じる投資家の姿勢を映し出している。
そこにブルーチップ銘柄を中心とする「One/フィデリティ・ブルーチップ・グロース株式」(アセットマネジメントOne)や、配当利回りの高さを武器とする「GSグローバル(除く米国)割安高配当株式ファンド」(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)が台頭したことで、外国株式の選好は単一のスタイルに偏らず、成長と安定を組み合わせる方向へと広がりを見せた。
上昇21銘柄に集中投資する「日本株式モメンタム」
一方で、国内株ファンドへの関心は依然として強い。「日経225」は9月に0.67%高と小幅ながらプラスを確保し、「TOPIX(東証株価指数)」の1.15%安と比べると相対的に堅調だった。こうした指数間のパフォーマンス差を背景に、「ちゅうぎん日経225 インデックスファンド」(中銀アセットマネジメント)はランキング上位を安定的に維持している。値動きが分かりやすく、国内株の中核として位置づけやすい点が、調整局面でも安心感につながっているのだろう。
さらに9月は、新たに「SMT 日本株式モメンタムファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)がランクインした点が象徴的だ。モメンタム戦略は、足元の株価上昇トレンドを捉える手法であり、「日経225」がプラス圏を維持した9月の地合いと相性が良い。国内株式の中でも、指数連動型とモメンタム型という異なるアプローチが並び立ったことは、投資家が国内株の可能性を単一のスタイルに限定せず、複数の視点から取り込もうとしていることを示しているとも考えられる。
中国銀行の9月の売れ筋ランキングでは、外国株式では「世界のベスト」と「WCM」がトップを固めつつ、「ブルーチップ」や「割安高配当」といった新たなスタイルが台頭し、国内株では「日経225インデックス」が安定した人気を維持しながら、「モメンタム型」が新たに加わった。株式市場が調整局面でも成長性を追求しつつ、スタイル分散と地域分散を同時に進める投資家の慎重かつ前向きな姿勢を映し出しているようだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

