finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2025.08.27
会員限定
資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは<br />①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

日本が「資産運用立国」を掲げるなか、その中核となる官民連携の対話プラットフォーム「資産運用フォーラム」が注目を集めている。ブルームバーグが事務局を担い、国内外の資産運用会社が中心となり活動。業界の未来を左右するテーマについて議論が進められている。金融庁はオブザーバーとして参加している。日本政府などが金融資本市場における取り組みを世界に発信する「Japan Weeks 2025」のメインイベントとして、10月21日にフォーラムの年次会合が開催され、成果をまとめた声明文が発表される予定だ。 フォーラム設立の背景や意義、今後の展望などについて、ブルームバーグ日本統括責任者ノーマン・L・トゥエイボーム氏に話を聞いた(全3回)。 1回目は、資産運用フォーラム設立の狙いや、参加する金融機関の状況について語ってもらった。

――資産運用フォーラムの立ち上げに至るまでの経緯と設立の背景、課題意識、そしてフォーラムとして目指しているビジョンについてお聞かせください。

現在、日本は世界の投資家から大きな注目を集めています。インフレ率は過去10年で最も高くなり、賃金は32年ぶりに上昇。政策金利もこの18カ月で3度引き上げられ、現在、長期金利は過去約15年で最も高い水準にあります。加えて、株式市場も過去最高値を更新し、海外からの投資資金も活発に流入するなど、日本経済には明確な“リバイタライゼーション(再活性化)”の兆しが見られます。

こうしたマクロ経済の追い風を受け、日本政府も「貯蓄から投資へ」のシフトを本格的に推進しています。2023年には岸田首相(当時)がニューヨークでのスピーチで、日本を国際的な投資拠点として強化する方針を打ち出し、市場の流動性や参加層の拡大を訴えました。幅広い国民の皆さまの豊かさの実現という視点も、今後の政策の大きな柱となっています。

一方、グローバルな視点では、日本が低金利環境にあるなか、投資家の関心は従来の株式や債券といったパブリック市場だけでなく、比較的高い利回りを追求できるプライベートエクイティ(PE)、不動産、インフラ、プライベートクレジットといったオルタナティブなプライベート市場にも広がっています。これら非公開市場では、取引の透明性や情報開示 の不足といった課題があり、健全な市場形成に向けた新たな枠組みが求められています。

このような投資環境の変化と日本政府の取り組みを背景に、国内外の資産運用会社を中心とした関係者の皆さまの対 話の場として官民連携により立ち上がったのが「資産運用フォーラム」です。

ブルームバーグは国内外7社、そして金融庁とともに準備委員会メンバーとして立ち上げから参画し、現在は事務局の運営を担っています。

われわれは創業以来40年以上にわたり、金融とテクノロジーの融合により、世界中の市場の透明性向上に取り組んできました。金融のデジタル化やデータ活用の分野での知見を生かし、資産運用フォーラムを通じてグローバルでのベストプラクティスや先進的な知見(ソートリーダーシップ)を日本に届け、国内外の関係者との建設的な対話を促進していきたいと考えています。

――資産運用フォーラムの現在の参加会員数、また海外の大手PEファンドなどオルタナティブマネジャーの参画状況についてもお聞かせください。

現在、50社を超える企業が参加しています。この水準は、フォーラム立ち上げ2年目としては非常に前向きな成果であると受け止めています。開かれた、誰もが参加しやすい“インクルーシブな場”として、資産運用フォーラムが受け入れられている証だとすればとても嬉しく思います。

海外の大手PEファンドやその他のオルタナティブ資産マネジャーの皆さまの参加も進んでおり、グローバルな視点から議論できる環境が整ってきました。私たちとしては、業界にとって最も重要なテーマ、たとえば制度設計や市場の課題などについて、参加企業各社とオープンに議論し、最適なソリューションを共に見出していく場として機能するようサポートしていきたいと考えています。

――参加する金融機関の募集はどのように行っているのでしょうか?

事務局としては、新規の参加企業の拡大も大事ですが、同時に資産運用フォーラムの目的や意義をしっかりと社会の皆さまにご理解いただくことも、とても大切だと考えています。そのため、金融庁とも連携しながら、フォーラムの価値をどのように高め、広く伝えていくかという点に注力している段階です。

――資産運用フォーラムの立ち上げに至るまでの経緯と設立の背景、課題意識、そしてフォーラムとして目指しているビジョンについてお聞かせください。

現在、日本は世界の投資家から大きな注目を集めています。インフレ率は過去10年で最も高くなり、賃金は32年ぶりに上昇。政策金利もこの18カ月で3度引き上げられ、現在、長期金利は過去約15年で最も高い水準にあります。加えて、株式市場も過去最高値を更新し、海外からの投資資金も活発に流入するなど、日本経済には明確な“リバイタライゼーション(再活性化)”の兆しが見られます。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融庁

おすすめの記事

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

finasee Pro 編集部

静銀ティーエム証券の売れ筋で浮上するテーマ株ファンド、「好配当株」や「モノポリー企業」に続くテーマは?

finasee Pro 編集部

⑧自社株評価の考え方①(税法)【動画つき】

木下 勇人

滋賀銀行の売れ筋で浮上した「インド株」、過去最高値を更新した日本株の「ダブル・ベア」の行方は?

finasee Pro 編集部

社保審系会合でGPIFが「安定的収益を確保」実績を強調、オルタナティブ+インパクトの強化策に有識者から注文も

川辺 和将

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの
信頼たる資産運用アドバイザーには理由(わけ)がある “進化”した米国の資産運用ビジネスから日本が学ぶべき点は何か? 【米国RIAの真実】
常陽銀行の売れ筋で期待を高める株式アクティブファンドとは? 売れ筋トップの「日経225」は上放れに安堵
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
社保審系会合でGPIFが「安定的収益を確保」実績を強調、オルタナティブ+インパクトの強化策に有識者から注文も
「支店長! 同行訪問していただく際、緊張してうまく話せなくなってしまいます!」
国債に減損処理が必要なのか
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
滋賀銀行の売れ筋で浮上した「インド株」、過去最高値を更新した日本株の「ダブル・ベア」の行方は?
新規設定金額は前月の約4分の1に急減、「逆張り戦略」や「暗号資産」に投資するファンドも登場 =25年7月新規設定ファンド
信頼たる資産運用アドバイザーには理由(わけ)がある “進化”した米国の資産運用ビジネスから日本が学ぶべき点は何か? 【米国RIAの真実】
「支店長! 同行訪問していただく際、緊張してうまく話せなくなってしまいます!」
新規設定金額は前月の約4分の1に急減、「逆張り戦略」や「暗号資産」に投資するファンドも登場 =25年7月新規設定ファンド
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
【連載】こたえてください森脇さん
⑥類似商品との違い、どう説明すればいい?
社保審系会合でGPIFが「安定的収益を確保」実績を強調、オルタナティブ+インパクトの強化策に有識者から注文も
常陽銀行の売れ筋で期待を高める株式アクティブファンドとは? 売れ筋トップの「日経225」は上放れに安堵
福岡銀行で国内株アクティブファンドが人気化、「世界半導体投資」と「未来の世界」にも見直し
中国銀行で「毎月/隔月決算型」株式ファンドの人気高まる、「ROBOPRO」のパフォーマンスも評価
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
信頼たる資産運用アドバイザーには理由(わけ)がある “進化”した米国の資産運用ビジネスから日本が学ぶべき点は何か? 【米国RIAの真実】
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
【文月つむぎ】"フィーベース信仰"に一石? IFA団体が世に問う「顧客本位の新常識」とは
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
第12回運用資産に関わる常識を疑え!(その1)
銀行預金ではインフレに負けるから投資すべき?
【みさき透】金融庁、FDレポートで外株の回転売買に警鐘 「2、3の事例はアウト」か
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」
第15回 住宅ローン金利の上昇はどのセクターにどんな効果を及ぼすか
DCは本当に「儲からないビジネス」なのか? 業界活性化の糸口はカネではなく「情報」に?
令和のナニワ金融?万博でにぎわう大阪府の金融機関事情
【金融風土記】
浜銀TT証券の売れ筋トップは「ピクテ・ゴールド」、ランクダウンのインド株ファンドは?
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら