finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

自民・片山さつき金融調査会長インタビュー
金融リテラシーの新検定、25年半ばのスタート目指す 民間企業と共催を視野に

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2024.06.05
会員限定
自民・片山さつき金融調査会長インタビュー<br />金融リテラシーの新検定、25年半ばのスタート目指す 民間企業と共催を視野に

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が4月に発足し、8月に本格稼働する。国民の金融リテラシーを向上させ「貯蓄から投資へ」の機運をさらに高めるには、どのような政策が不可欠だろうか。自民党金融調査会長を務める片山さつき氏に、国民の金融リテラシーを向上させ「貯蓄から投資へ」の機運をさらに高める政策の方向性や具体策について聞いた。

 

——国民の金融リテラシーの現状をどのようにみていますか。

日本の家計金融資産は2023年末時点で2141兆円と、米国の8分の1ほどにすぎません。国民1人あたりの額で比べても、日本の約1700万円は米国の3分の1にとどまります。

日米でこれほどの差がついた理由としては、まず日本の家計金融資産の半分が現預金であるという点が挙げられます。日本では「投資しなさい」という教育がほとんどありませんでしたが、実は投資大国の米国でも投資教育が本格的に始まったのはそれほど昔の話ではなく、世界的に株価が暴落した1987年10月の「ブラック・マンデー」以降のことでした。

米国の投資教育の歩みは日本にとっても大いに参考になります。その一方で、米国と異なり日本は「国民皆年金」の国ですので、各種の社会保険の保険料と将来の受給額との関係を知っておく必要があります。住宅ローンや民間の生命保険のしくみについても理解を促さなければなりません。そして公的年金や民間保険・ローンなどと並列の位置づけで、資産運用としての分散投資の必要性を教えることが望ましいでしょう。NISAやiDeCo、企業型DCなどを一通り解説した上で、「貯蓄と投資のバランス」の大切さを習得できるようにすべきです。あくまでも投資は余裕資金で行うものだという認識を広め、生活費の工面や住宅ローンの返済もままならないのに、いかがわしい金融詐欺に引っかかってしまうような事例を減らしていきたいですね。

——金融経済教育推進機構(J-FLEC)に期待することは。

J-FLEC は早期に1000人規模の認定アドバイザーを確保する方針です。アドバイザーはオンラインや電話で資産形成や金融サービスに関する個別相談を受ける役割を担うことになっていて、アドバイザーの質も担保しなければなりません。

一方、認定アドバイザーにAIを悪用した「なりすまし」が紛れ込む可能性を危惧しています。なりすましに関しては堀江貴文氏や前澤友作氏といった著名な実業家とも意見交換していますが、彼らのような有名人のなりすましであれば見破るのも容易です。大半の認定アドバイザーはほとんど世に知られていないわけですから、ニセモノを特定するのは困難です。この点では行政にさらなる対策を促していきます。

――党金融調査会は3月に岸田文雄首相へ示した「金融経済教育推進機構の設立に向けた提言」のなかで、「教育を受けた個々人が自らの金融リテラシー向上を実感できるような仕組み(検定等)の整備について検討すべきである」と明記しました。検定制度の狙いは。

4月に発足したJ-FLECはKPIとして、金融広報中央委員会(知るぽると)が国内で実施している金融リテラシー調査の正答率を、現状の40~50%から欧米並みの70%に引き上げると唱えています。J-FLECの取り組みが日本国民の金融リテラシー向上に役立っていると実証するには、やはり新たな検定制度を整えて政策効果を測る必要があります。

試験を実施するには会場の確保や監督、オンライン受検の運用など、かなりの手間がかかります。J-FLECは人員が少ないため、試験を単体で主催できるだけの余力がありません。新たな検定制度は試験のノウハウを持つ民間企業と共催する形になるでしょう。2025年の半ばにはスタートさせたいですね。

加えて将来的には、学校教育のカリキュラムでも金融リテラシーの試験を課すべきです。近年、デジタル通貨やブロックチェーンなどの活用をかたる詐欺の被害が大学生の間で急増しています。中学や高校の段階から「リスクとは何か」をしっかり教えておけば、悪質な詐欺に引っかかる学生を減らすことができます。高校の家庭科などで金融教育が始まりましたが、段々とコマ数を増やしてゆき、ゆくゆくは教育の定着度を測る試験までカリキュラムに含めていきたいと思います。

 

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融リテラシー
  • #金融庁
  • #NISA

おすすめの記事

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
③日本の金融リテラシー向上へ、将来の資産運用を支える人材を育てる

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
②DX・企業価値・サステナ・オルタナの4分野で日本を動かす

finasee Pro 編集部

資産運用立国の実現に向けた官民対話の新たな挑戦──「資産運用フォーラム」が描く日本市場の未来とは
①国内外の金融50社超が参加!資産運用フォーラムが目指すもの

finasee Pro 編集部

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

10億円以上の資産家が多いのは山口県、北陸ではNISA活用が進む。県民性から読み解く日本人の投資性向とは?

Finasee編集部

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【みさき透】ファイナンシャル・ウェルビーイング企業の支援で運用立国の高度化を、今夏の「新金融戦略」に向け議連で検討も
事業会社から最も評価が高い運用会社はどこか?Extel社の調査結果に見る日本市場の「360度評価」
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉚
米国株からグローバル株へ資金シフトと欧州株ファンドへの期待
【プロが解説】「アンソロピック・ショック」とは?AIがSaaSを使う側に回り、揺らぐ課金モデル
「テクノロジー×教育×アクセス向上」でプライベートアセットの民主化を――iCapitalが描くオルタナ市場拡大への道筋
広島銀行の売れ筋トップを独走する「ポラリス」と第2位を継続する「世界経済インデックスファンド」の魅力
「支店長! お客さまから商品選びを丸投げされてしまいます!」
新NISA戦略を運用会社に聞く① 日興アセット、新しい投資家の開拓のためには対面窓口での対応がカギに
SBI証券で売れ筋上位は変わらず、イラン紛争の長期化懸念でアクティブファンドにも出番
「支店長! お客さまへ良い提案をするためのコンサルティング能力はどうやって向上させればいいですか。何に関心を持つべきでしょう」
事業会社から最も評価が高い運用会社はどこか?Extel社の調査結果に見る日本市場の「360度評価」
長期金利の急上昇が話題になった日本国債発行体である財務省国債企画課は市場をどう見ているのか【前編】
足利銀行の売れ筋で大幅ランクアップをはたした「グローバルバリュー株式ファンド」の行方は?
千葉銀行の売れ筋で「分散名人」がトップに、「日本株好配当」や「グローバルREIT」も人気化
広島銀行の売れ筋トップを独走する「ポラリス」と第2位を継続する「世界経済インデックスファンド」の魅力
日本国債市場で存在感増す海外投資家 発行体である財務省国債企画課は市場をどう見ているのか【後編】
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉚
米国株からグローバル株へ資金シフトと欧州株ファンドへの期待
SBI証券で売れ筋上位は変わらず、イラン紛争の長期化懸念でアクティブファンドにも出番
「支店長! お客さまから商品選びを丸投げされてしまいます!」
【プロが解説】「アンソロピック・ショック」とは?AIがSaaSを使う側に回り、揺らぐ課金モデル
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」
第18回:40年ぶりの運賃区分統合実施!JR東日本の運賃改定が各セクターに及ぼす影響は?
「支店長! お客さまから商品選びを丸投げされてしまいます!」
【金融風土記】九州一の大都会はどんな様子なの?‟フルスペック”福岡県の金融動向
広島銀行の売れ筋トップを独走する「ポラリス」と第2位を継続する「世界経済インデックスファンド」の魅力
野村證券の人気ファンドは高リターンにシフト、「のむラップ・ファンド」がトップ10から消える
プライベートクレジットと解約設計の整合性を問う
「銀証連携」の強化と「支社体制」の導入でコンサルティング営業の高度化を加速 case of 東京きらぼしフィナンシャルグループ
事業会社から最も評価が高い運用会社はどこか?Extel社の調査結果に見る日本市場の「360度評価」
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【アクティブファンド編】
総合証券モデルの利点は残し、それ以上の価値を生む「合弁会社設立」から見えてくるグループの覚悟 case of 三井住友フィナンシャルグループ/ SMBC日興証券
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら