増加が続く高齢就業者

現在、65歳以上70歳未満の労働者に対する高年齢者就業確保措置により、65歳に達した後も会社勤めを続ける人が増えています。「令和8年版高齢社会白書」(内閣府)によれば、2025年の65歳以上70歳未満の就業率は54.5%と、2人に1人以上は働いている計算になります。また、65歳以上の就業者数は942万人に達し、過去最高を更新しています。

【65歳以上の就業者数、就業者の割合の推移】

(出所)「令和8年版高齢社会白書」(内閣府)よりアセットマネジメントOne作成

 では、実際に在職老齢年金によって調整される対象者はどのくらいいると推測されるのでしょうか。

厚生労働省の令和6年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢厚生年金額は平均で月額9.1万円と推測されます。

よって、(65万円-9.1万円)×12カ月=約670万円の年収の人が対象となります。65歳以上で年収600万円以上の人の割合は1割に満たないと思われますので、ほとんどの方は在職老齢年金の対象外となり、在職老齢年金を気にせずに働き続けることを選択できると考えられます。

なお、給与所得の高い方が、在職老齢年金による調整が行われないように、支給繰下げを行ったとしても、在職老齢年金によって調整される額に見合う金額に対しては支給繰下げによる増額はされませんのでご注意ください。

いかがでしたでしょうか。わが国は今後も高齢化が進展すると予想され、日本の総人口に占める65歳以上人口(高齢化率)は、2040年には約35%に達すると見込まれています。そうした中で、高齢者が労働力として見直され様々な施策が行われ、今後も在職老齢年金の調整額の引き上げが検討されるものと考えられます。

(執筆:花村 泰廣)

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