経済的に困っている兄弟や姉妹にお金を貸した経験がある人はそう珍しくはないだろう。
また、返済の見込みがない場合、「もう返さなくていい」と言うことも多いはずだ。
だが、その判断と発言は皆さんが思っている以上に重いものなのである。
今回は、妹の将来を心配して600万円貸し付け、後に返済を免除したものの、相続をきっかけにトラブルに陥ってしまった事例を紹介しよう。
妹に「600万円」貸した兄
今から10年ほど前。当時お金に困っていた妹の早矢香さんに、伸弥さんは累計600万円ほどお金を貸していたという。
というのも、早矢香さんは高校を中退した後、派遣社員やアルバイトを転々としており、安定して働いた経験がほとんどなかったからだ。当然、600万円という大金を返せるような収入はない。
伸弥さん曰く、最初のうちは「少しずつでも返してもらえれば」と考えていたようだ。
しかし、年月が過ぎても返済の見通しが立たない。そうこうしているうちに、むしろ妹を案じる気持ちの方が強くなっていった。
「600万円の借金を背負わせると、早矢香の人生を奪うことになるんじゃないか」
「将来、結婚を考える相手が現れても、600万円の負債が障害になるかもしれない」
伸弥さんは当時の心境についてそう語った。
悩んだ末、伸弥さんは早矢香さんに「600万円はもう返さなくていい。あげたと思うことにする」と伝えた。
当時は本当に600万円を諦めるつもりだった。
ところが、その年、状況が大きく変わる。2人の母親が亡くなったのだ。
