日本証券業協会は9月16日、IFAの内部管理態勢に関する新たな作業部会(「金融商品仲介業務に係る内部管理態勢に関する検討ワーキンググループ」)の設置を発表しました。自主規制企画分科会の下部機構の位置づけで、大手・中堅・地場証券を含む14人程度で構成します。
協会員の提案を受けて設立が決まりました。提案では、IFAの営業員の歩合比率の高さ、個人事業主雇用形態の多さなどを理由に「IFAはコンプライアンス上のリスクが高い」と指摘した上で、次のように課題認識を説明し、新たなガイドラインの制定を求めています。
「不祥事が発生すれば、証券業界全体に波及する可能性もある。よって、IFAの制度を定義した上で、日証協においての取扱いをしっかり議論すべき時期に来ていると思われる」
「再定義のポイントは「顧客の所属」にあると考えている。IFA事業者の場合、顧客はIFA事業者ではなく、所属証券会社に所属している。つまり、証券会社の顧客保護の観点で見れば、IFAも証券会社が自社に抱える営業員と何ら変わりない」
「したがって、形態上は別会社であるが、証券会社の顧客を取り扱っているという点で、IFA事業者に証券会社と同等の営業管理体制を求めるべきであると考える。IFA事業者自体で管理体制を確立した上で、その管理体制が適正に運用されているかどうかを所属証券会社がチェックする体制が必要なのではないか」
あわせて協会は、トルコリラ建て債券の不適切販売とIFA管理態勢の不備で既に行政処分を受けたキャピタル・パートナーズ証券に対し過怠金3000万円を科す処分(同日付)も公表しました。
関東財務局などによると、同社は一部の顧客に対し、為替の影響による価格下落などのリスクについて顧客に十分説明することなく投資勧誘を行っていました。
また、こうした不適切販売を行っていた歩合制の営業員の一部が、兄弟会社のIFA(キャピタル フィナンシャルアドバイザーズ)に移籍した後も、同様の問題が発生していたにも関わらず、適切なモニタリングを実施していなかったといいます。
同社は処分を受けて「お客様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを、改めて心よりお詫び申し上げます」と謝罪コメントを公表。「外部有識者の助言を受けながら業務改善に取り組み、役職員一同、再発防止及び信頼回復に努めてまいる所存です」としています。
同社の事例を含め、IFAが絡む過去の不祥事案を踏まえた作業部会内における議論の行方次第では、かつてIFAを“管轄外”としていた協会のスタンスが大きく変化することになりそうです。
REIT指数、債券指数の“つみたて枠”対象化を
同日、日証協は資産運用業協会、全国証券取引所協議会と連名で税制改正要望を発表。NISAに関しては、さらなる利便性向上に向け、非課税保有限度額の当年中復活と対象商品の拡充、事務手続き簡素化、金融機関の負担軽減を求めました。
このうち、つみたて投資枠の拡充について日証協は「株式以外の資産に連動する指数(REIT指数や債券指数等)を追加するなどアセットクラスの多様化を図ることで、投資家の多様なニーズに応えることが可能となる」と指摘。現在は非採用となっている単一指数の具体例として、東証REIT指数、東証REIT Core指数、 NOMURA-BPI総合、ダイワ・ボンド・インデックス(DBI)総合指数、FTSE World Government Bond Index、LBMA金価格を挙げています。また、ETFについてもアクティブ運用向けの要件整備を求めています。
確定拠出年金については、拠出限度額の引き上げ、キャッチアップ拠出枠の創出、特別法人税撤廃、老齢給付金の受給要件緩和、受給開始年齢上限の引き上げなどを要望しています。
記者会見で日比野隆司会長は「個別の社債は成長投資枠でも今は入っていない。成長につながる資金を拡大していく観点から、適切なアセットクラスの商品が対象商品になっていくというのが良いと思う」と述べました。
