佳作:お客さまに寄り添って
「まぁ興味ないことはないけど…よく分からない」
窓口でお客さまにお声かけする際に、よく返ってくる言葉です。少しでも投資信託という商品に興味を持っているお客さまが始めていないのはとてももったいない。そう思うのは販売側の考えで、そこをどうやってお客さまに重い腰を上げてもらい、投資信託の口座開設から購入まで、「手続きをしよう!」と思っていただけるかが、窓口にいる私たちの役割だと思っています。
以前、同じ答えを返されたお客さまとお話した際、「たしかに、“投資”って聞くと、難しいイメージがありますよね。では、老後の資金はご準備されていますか?」とお聞きしたところ、「定期預金とかで…。充分ではないけど」とおっしゃいました。
投資信託はハードルが高いから定期預金、という方はNISAが浸透した今でも大勢いらっしゃいます。金利が少しずつ上がってる今、NISAで積み立てるメリットと定期預金に預けるメリットと、どちらがお客さまのご意向に近いかという点を販売資料などで丁寧にご説明させていただいています。
そのお客さまは、「価格変動は確かに怖いけれど、長く持てばやってて良かったって思えそう。今日、説明してもらって良かった」とNISAを始めていただけました。私は貯金窓口にいるため、来客されるお客さまに貯金と投資の違いをきちんと理解していただくことも大事な仕事だと思っています。その場では理解していただいても、あとで「あれ? 私、投資信託なんて申し込んだかな?」と思われることがないよう、しっかりとお客さまが理解されていらっしゃるかを確認しながらご説明するようにしています。
少ない時間で一から十まで理解するのは難しい上、お客さまの負担にもなるため、アフターフォローでお客さまと会話をしながら現状を確認することも大事なことだと思います。実際、開設時には「難しそうだけれど、始めてみよう!」という雰囲気だったお客さまも、その後、何度かご来店された際にいろいろな話をする中で信頼関係が構築でき、今ではお客さまからたくさん質問をしていただけるようになりました。
「いつも時間を取らせてごめんね。でもあなたがいなかったらNISAも始めていなかっただろうし、あの時始めて、本当に良かった」とおっしゃっていただけた時は、自分の仕事が誰かの役に立っているということに誇りを持てる瞬間でした。毎日が良いことばかりではありませんが、お客さまからのうれしい言葉が自信となり、自分自身の成長にもつながっていると思います。まだまだ成長途中ですが、自分の伸びしろを信じて、これからもわざわざ足を運んでくださるお客さまに投資信託のお声かけをしていきたいと思っています。
講評:丁寧な働きかけと継続的なフォローの重要性が伝わる
顧客の心理に寄り添う姿勢が随所に表れている。「興味はあるが分からない」という顧客に、丁寧な対話姿勢と段階を踏んだ説明で安心感を与える対応は、販売現場で参考になる。顧客満足が仕事の誇りにつながる点も描かれ、読み手に前向きな示唆を与える。
